昨日、河野太郎氏があの甲高い声で身振り手振りたっぷりの演説で。自民党の総裁選挙への立候補を表明した。
東京に住んでいるからだろう、10年ほど前河野太郎氏に生で出遭ったことがある、もちろん偶然だ。平河町附近だったと思う、一人でウロウロしていた。小さな交差点付近で何かを思い出すようなしぐさで、行ったり来たりして檻の中の熊みたいだったのを記憶している。
その際思ったのが、こういう若い政治家がいずれ日本のトップに成るんだろうなー・・だったのをしっかりと覚えている。
衆議員会館にも知り合いの議員さんに呼ばれて幾度か行ったが、目ぼしい大物政治家には遭遇したことはなかった。
したがって現在はテレビやネットで各政治家の言う事に接する事しか出来ていない。
こういった状況下で、今回の自民党総裁選挙の成り行きを見守っているのだが、いわゆる政治評論家というか事情通のコメンテーターたちの「独断と偏見による総裁選の行方」コメントが余りもバラバラで「八っつあん熊さん」の釣り問答みたいでかえって混乱させているような気がする。
岸田文雄氏は品行方正・真面目・温厚の一方で優柔不断、決断力の欠如・・と言われている様だが、もちろん筆者は直接知らないので「そうなのか?」と思うだけ。口の悪いわが友の表現だと、「秀才が制服着て生徒手帳かざして会長選挙に立候補しているようなものだ」というが・・言い得て妙だ。
高市早苗氏に関しては、立候補表明記者会見をライブで全部見たので考え方や記者への対応の仕方、ルールを守らないフリージャーナリストへの度量のある対応など、こちらも「ふーん?」と思う感じだった。妖怪ベラさんが着物の裾をからげて「あたしの考えはもう決まってんだ!つべこべ言うと叩くよ!」と啖呵切っている感じだ・・・と友が言う。
で、昨日の河野氏の出馬宣言発表をニュースで細切れながら観てみると、想像以上に演説の上手い、モノの例えの上手な人物であるように見える。かって物議をかもした「取り除いた腐ったリンゴを元に戻すと、リンゴは全部腐ってしまうんです。」のセリフなどはかっての小泉総理の「自民党をぶっ壊す!」的効果を生み出すかもしれない。
河野太郎氏がタカ派だの、何をやるか判らないから危険だ‥というのは、実務力やおのれに自信が無いベテランたちの「敵わないくやしさ」「自分たちはもう隠居かよ?」的なジェラシーから来るものと、自分たちが思うように裏から操れないからこそ来る危機感が言わしめているのだと思う。
その点、老獪なベテランたちが操れそうなのは岸田文雄氏くらいなものか?派閥の「数の力」はその辺りを押していくのでは無いだろうか?
しかし、思うにメディアのいい加減さ、酷さは今回余計目についてしまう。政治家が過去に何を言おうが、世の中の移ろいにつれて考え方や言い方が変わっていくのは当たり前だろう?それはメディアの社説や報道が変わっていくのと同じだ。
それを「アナタは12年前のこの時こうおっしゃいましたよね?それが今おっしゃった事と違うのは何故でしょう?」これはもとNHK看板アナだった膳場貴子氏が高市早苗氏の出馬会見で質問した事だ。これを観て膳場貴子氏自身は12年前と何一つ変わっていないのだろうかと驚いた。
人間12年経って考え方や主張が全く変わらないのであれば世の変化に対応できない、あるいは学習能力が無いとみられてしまうだろう?少し意地が悪すぎやしないか?活躍する同性へのジェラシーから来るものだろうと言った友達が居た。
高市早苗氏の時も、昨日の河野太郎氏の時も記者発表会場でルール破りの記者の蛮行が話題になっている。今まではこの手は報じられなかったが、現在はネットライブで全てが明るみに出てしまう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9ba39410c5bc44339eb9a72fce2d4110e9c46051
メディアの酷さを世の中に知らしめる意味でも発表会のネットライブ配信は非常に良いと思った。いわば煽り運転を録画する車載カメラのような効果があろう。
政治家なんて基本的に全員うそつきの集団なのだから、裏切り、豹変、下剋上など日常茶飯事だろうから、強引にマイウエー!でなければTOPになど成れまい?高崎山の猿のボス争いとあまり変わらないと思える。
筆者は政治評論家ではないので、これ以上のコメントは出さない。しかし、1年前緊急総裁選挙を自民党議員中心で強行し、総理の器ではない菅義偉を派閥の論理で選んでしまった自民党の代議士たち、「今回はそれではいけない」・・と、思っての行動に期待したいと思うが如何だろう?本番でそうならなかったら日本はまた長いトンネルを走り続けるのだろう。