2021年6月30日水曜日

つがいの通年ヤマセミ画像を精査中出て来た未発表画像。#2 An unpublished image that came out during the scrutiny of the paired year-round Yamasemi image.#2

  未発表バージョン、その2は「頭上を飛び行くヤマセミ」。

 水面ぎりぎりを飛び、時には翼端が水面を切るくらいの低さで飛び行くヤマセミ。猛禽類やカラスの襲撃に水遁の術で逃れるための習性・生態だ。

 ところが、時折撮影者をあざける様に頭上を飛び抜ける事がある。10年間の通い観察で20回ほどそういう場面に出くわした。最初の数回はすべて慌てててそのまま撮影したので、空抜けのシルエットでしか撮れなかったのだが、幾度か失敗の後練習して、何とかみられる画像を撮れるようになってからのものをご紹介。

 二羽で飛び行くモノもあるが、それは通年で生活するヤマセミつがいの項でご紹介予定している。そちらのバージョンではファミリー三羽での高高度飛行、あるいは縄張り争いでの上空チェイス・バトルの画像なども収録している。

 撮影場所はいずれも球磨川本流上空。常に上空を観ていないと、まさかヤマセミがそんなに上空を飛ぶとは普段思わないのでチャンスを逃す事に成ろう。水面近くと違って上空を飛ぶ場合はあまり声を出して鳴かないようだ。

 35m落差の採餌ダイブを見ているので、上空で猛禽類やカラスに襲われても、真っ逆さまに水面にダイブできるだろうけれど・・・。






今日のアップはいずれもオスだが、メスのアップもそのうちご紹介予定。

2021年6月29日火曜日

つがいの通年ヤマセミ画像を精査中出て来た未発表画像。#1 An unpublished image that came out during the scrutiny of the paired year-round Yamasemi image.#1

  人吉市近郊で2010年から2020年の10年間で撮影したヤマセミ画像の中から、通年でヤマセミはつがいで生息している証拠画像を月ごとに選択しているのだが、余りのデータの多さに驚いている。

 人吉界隈でのヤマセミファミリーの観察ポイント(良く出遭える場所)は約20カ所存在していた。昨年7月4日の線状降水帯の豪雨水害以降、それは壊滅的になってしまい、河川復旧工事の影響で現在は全く過去とは違っている様だ。

 新型コロナの影響と水害復旧工事でしばらくは観察行は諦めねばならないと思っている。本来であれば、洪水過からどのようにヤマセミが復活するかの過程を観察~記録したいのだが、遠い東京にあっては諦めざるを得ないだろう。

 2010年は4~6月に3回しか人吉へ行っていないのでデータ数は少ないのだが、翌2011年からは頻度・撮影枚数が急激に増えている。その画像をチェックしている間に未発表の結構意味のある画像も発見しているので、しばらくはそういう未発表画像をご紹介したい。

 なお数値は西暦年号下2桁・月・日を表している。

111211球磨川支流部での追い写し。

111112球磨川本流川霧の中の接近画像

111112同上、冬季早朝氷点下の球磨川は川霧がよく出る。

111112

111112

111123上流へ去っていくヤマセミ。

111211球磨川本流で15m上空の架線(現在は無い)に上昇中のヤマセミ♂

 

2021年6月28日月曜日

上野不忍池、定点観察レポート6月後半。  Ueno Shinobazu Pond, Fixed Point Observation Report Late June.

  梅雨の合間の晴れとはよく言うが、今年は梅雨の合間に雨が降る・・・様な気がする。台風5号が東海上に抜けて今朝の関東はピーカンに晴れ渡っている。

残月がくっきり西の空に浮かんでいた。

スパイダー・リリーも今が盛り。

朝5時過ぎの愛犬散歩でもう暑さの予感!

 数日前、定点観察を続けている上野不忍池へ行ってみたら、もうハスの葉の大きいものは人間の背丈を越えていた。で、ハスの花を探したが最初はまだ一つも咲いていない感じだった。

 しかし池を一周したら、合計で100個以上は蕾があり、50個ほどはハスの葉の下で花開き、中には既にあのじょうろの口のような部分だけに成っているものもあった。夕立の突風で花びらが吹き飛ばされたのではないだろうか?

 野鳥はごく少ないカルガモとスズメ、ドバト、カワウ程度、それに主のようなアオサギしか居らず、カワセミはまだ営巣中なのか声も聴こえなかった。


殆んどの花はハスの葉よりも低い所で咲いていた。

葉の高さと同じ花はまだ蕾が多い。






 やはり午前中に行かれるのが良い様だ。上野の森の精養軒には台東区の新型コロナワクチン接種場が出来るようだが、一般外来者が打てるかどうかは知らない。上野の森の美術館は殆どが再開している。

2021年6月27日日曜日

2021年東京都内でツミの繁殖レポート最終稿 その4. 2021 Report on the breeding of Japanese sparrowhawks in Tokyo Part 4.

  都内で今年2021年繁殖した小型猛禽類のツミ ファミリー。繁殖における巣立ち前後・クライマックスだけの観察だったが、非常に面白かったし感動もした。以前NHKの番組で多摩エリアのバス路線の街路樹で繁殖するツミの生態を観て気になっていた。同時に毎日朝5時半の愛犬の散歩で見かけた住宅街でのツミの生態と照らし合わせながら大変勉強になった。

 今回情報を連絡してくれた中学校時代の同期生には大変感謝している。もうお足を向けて寝られない。

 昨日の投稿では親鳥が獲物を食べやすくして巣に持ち込み、ヒナに与える場面までのご紹介だった。実は筆者は先の二羽の巣立ちの瞬間には立ち会えていない、多摩地区から都心部を通過しての通いで観察なので、そうやすやすとは良い時に出遭えないのは仕方がない。

 しかし、このツミの場合シジュウカラやヤマセミの様に一度巣から巣立ったら二度と巣に戻らないという事は無く、ヒナたちは巣の近所の樹上で世の中に慣れるのと同時に、親が給餌に来る場合はまた巣に戻って三羽で仲良く親を待つのだった。

 これは非常に驚いた。今の今まで野鳥は巣から巣立ったら二度と戻らないものだとばかり思いこんでいたのだが、親が餌を咥えて来る前に先に巣立った二羽がちゃんと巣に戻っていたのだ。

 で、先に巣立った二羽が先に食事を終えると、巣の横の枝にとまり、まだ巣立っていない頭の白い末っ子が親から給餌を受け、終わって親が巣から出ていく瞬間を撮影出来たのが今回最大のハイライトだった。

 巣の周りを360度丹念に回り、葉に隠れた巣のかすかに垣間見える撮影ポイントを探し続けた結果のご褒美だった。

 基本的に野鳥が営巣・繁殖している時には巣に近づいたり、覗き込んだり、ライトを当てたり、周りで騒いで警戒させてはいけないというのは当たり前のルール・マナ―なのだ。

 しかし、ことツミに関して言えばバス停の上の樹に営巣したり、公園の道路上の樹木に営巣したりして、そこいらのハトやカラス同様、人間世界とその生息域を共有している。

 したがって巣の下をベビーカーを押したファミリーやカップルがいくら通っても、見上げても全然平気で繁殖活動をしている。これは今回の観察でも実体験し非常に驚かされた。        

 親がキャーキャーキャーキャーと鳴きながら餌を運ぶぞ!という合図でもしたのだろうか?三羽のヒナが巣に集合した。

三羽揃ったところで親が餌を運んで順番に与える。

先に餌を貰ったヒナは既に一度巣立っているので傍の樹に移ってじーっとしている。

時々末っ子への給餌をのぞき込んでいた。右に見えるのは給餌中の親の尾羽

末っ子への給餌が終わった親はヒナを残してさっさと巣を離れていった。

しばらくして巣から10m程の樹に一羽の巣立ったヒナが来た。やはり少し小さい。

と、もう一羽が木を伝って歩いて来るが足元がおぼつかない。ヨロヨロしながら登場。

何とか兄弟の傍へ行こうとバタつきながら接近。

待っている方はその様子を注視して・・。

やっと兄弟が一緒になれた。

10分もするとこうした間隔で落ち着いた。

20m程離れた木の上からメスの親が様子を見守っていた。これが巣立ちの生態の様だ。

ところで!

 今回の3回の観察で、実はあまりよろしくない人間の状況をも観察してしまった。この公園は割に人通りが多いうえ、普段近所から自然を楽しむ方々が多数訪れているようなのだが、このツミの繁殖を観察・撮影する人々に高圧的な態度・言動、あからさまな嫌がらせをする地元爺さんグループがいた。
 
 筆者は全国で野鳥の観察その他を廻っているが、よそから来る観察者や撮影者を排他的行動で拒否する、あるいは追い出すような行動をとる人たちが各地でごくまれにいることを身をもって体験してきた。
 野鳥観察のマナーやルールを守り、そのエリアの住民への撮影による迷惑行為を避ける心得は大変大切な事で、筆者も用心し神経質なほど守っている方だと思っている。
 
 しかし、

 この公園には地回りとは言わぬが、結構ご高齢の爺様たちが連日折り畳み椅子に腰かけ、ツミの繁殖を観察するでもなくサロンの様に雑談をしていて、よそから来た観察者・撮影者に色々注意をしているのだった。

 筆者も最初行った際、巣の場所が判らず周りの人たちが向けるレンズの方向を探って巣を探しつつ、その様子をしばらく遠巻きに見ていたのだ。
 
 そうしたら、舗装された通路上で立ち止まって巣の方向へカメラを向ける御仁に「其処っ!道路から撮らない様に、脇へ寄って撮れ!」「警察が来るぞ!」・・もういきなり命令調だ。



 よそから来た人は、まず一様にこの恫喝的指導にそうとうびっくりしているようだった。画像は一般の人に写っている個人が判別できない様にわざと画像処理してぼかしてある。

 見ていると、道路上で立ち止まって撮影する女性の撮影者には何も言わない、スマホで撮る人にも何も言わない。しかし高そうな望遠レンズのカメラマンには大声で指図していた。
 
 たまたま筆者の横にきて岩に腰かけている数人は、神奈川から来た方野鳥撮影グループの方たちらしかったが、小声で「何ですかあの人たちは?」とブツブツ言っていた。そのうちいきなり言われて食って掛かる御仁が出てトラブルになるのは間違いのない所だろうと思った。
 
 公園で人通りが多いので、他の人の妨げになっては迷惑だというのはよく判るし、撮影者同士で譲り合い、注意しあうのは当然理解できるが、いきなり大声で恫喝まがいの指図は良くないだろう。

 そのくせ、ツミの親子に何か具体的な動きがあると、真っ先に道路の真ん中で仁王立ちでレンズを巣やツミに向けていた。思わず笑っていしまったが、無邪気な老齢者とはいえ「良い事をして、秩序を守っているんだ俺たちは・・。」も良いが、その方法にいささか問題があるのではないだろうか?

 更に、三回目にはこんなこともあった。

 いろいろな角度から巣への見通しを探っていて、あるポイント(3~5枚目のカット)から巣と巣立ったヒナの写真を収録した10分後、どうなったかまた見に行ったら、その爺様の仲間の一人がそのポイントで頑張って巣を見上げて撮影していた。もう既に親鳥も巣立ったヒナも何処かへ移動していて居ないのだが、その場所に陣取って巣を撮っている、それもいつまでも何カットも。

 で、どうしてツミが一羽も見えない巣だけをファミリー用のカメラ(多分真っ黒になるか良くてシルエットにしかならないはず)で、何故何カットも撮っているのか最初は判らなかった。で、よく考えたら、そういった場所は自分たちの縄張りだという主張の行動らしかった。いわゆる犬や猫、アフリカの獣たちのような臭い付けの一種なのだろう。

 もしボランティアで秩序を整理するのであれば、腕章なり首からそれなりの説明を書いた札を下げるなりすべきで、普通どこの誰とも判らぬ者にいきなり恫喝されれば、よそから来た人は訝しがるだろうと思う。見知らぬ他人に上から目線で指示したり恫喝するのは気持ちがいいかも知れぬが、たぶんそのうち痛いしっぺがいえしを喰らうだろう。そちらの方が心配になってしまった。

 帰りに交番でこの件を聴いたら、「そうなんですよ、実は遠くから来た方からずいぶんクレームが出ているんですが、困りましたねぇ」だそうだ。悪い事をしている訳ではないので、恫喝された、自由を阻害されたというクレームが持ち込まれた場合は現行犯で「口頭注意」が最大の措置だとの事。お巡りさんがいちゃそういう事はもちろんしないだろうからイタチごっこだ。渋谷辺りのスプレー落書きに似ている。

  今回はおかげさまで大収穫だったが、同時によく言われる「撮り鉄」や「景色・花」撮影者、「野鳥撮影者」にありがちなルール・マナ―違反とは少し違う「あってほしくない野鳥撮影現場の弊害」の新しい私設マナー警察に出遭ったような体験をもせてもらった。

 これは東京だから起きる事なのだろうとは思うが・・・。

2021年6月26日土曜日

2021年東京都内でツミの繁殖レポート その3. 2021 Report on the breeding of Japanese sparrowhawks in Tokyo Part 3.

  ツミのレポートは三日目。今日は巣の中のヒナと、そのヒナへの親の給餌に関しての観察レポート。NHKの自然関連の番組の様な時間と機材、マンパワーをたっぷりかけての収録では無いので、学校の理科の自由研究レベルの観察だがご容赦願いたい。

 少なくとも、ただやみくもに野鳥の写真を撮影して、数多くの種類を撮ったとか、珍しい野鳥を撮ったとか、はたまたコンテストに応募するのようなきれいな撮影とは違って、筆者の場合はその生態の面白さや瞬間的な生の現場の臨場感を記録する目的なので、ピンボケ、枝被りなどはお許し願いたい。

 学友から情報を得て最初に行った日に、巣の中では頭の毛はまだ白いものの既に大きくなったヒナ三羽が、活発に動いているのが見てとれた。

 よく猛禽類の巣立ちまでのTV放映のような巣の中で羽ばたきの練習をする場面などは、巣のある場所が殆ど木々の葉で隠れてしまっており、撮影出来なかった。毎日でも通える方は撮影しておられるかもしれない。

 この親から雛への給餌投稿は観察している短い時間内だけのレポートに成る。まず給餌するエサはオスが巣から離れた場所でゲットしている様だ。給餌用の餌はヒヨドリだったりムクドリ、スズメの類だと思われる。

 そうして巣のエリアの巣から少し離れた場所でオスが獲物をメスに渡していた。これは空中に放り上げてメスがそれを空中でキャッチする様な、あっという間のアクションだったような気がする。

 オスから渡された獲物をメスが巣から少し離れた場所で羽根を大かたむしり取り、10分ほどして巣に運んだ。今回の場合育ちの早いヒナが二羽、遅いヒナが一羽いてどのような給餌バランスに成っているのかは判らない。

 画像的には奇跡的に巣で待ち受けるヒナに向かって、親鳥が獲物をぶら下げて向かう場面が撮れていた。1日に1~2度しかないチャンスを良く収録できたと思った。幸運だった。

 

巣で待つヒナ三羽。なかなかこうしたヒナ三羽の画像は撮れない。三羽とも顔をこちらに向ける瞬間は、一日に幾度もないだろう。辛抱強くその瞬間を待った。

 地元の常連の人々も三脚にカメラを固定して脚立に座って仲間内で長々と雑談していたが、殆ど観察はしていないので、こういったヒナの生態などは撮影していないようだ。


 オス親から受け取ったメス親が獲物を食べやすく、分けやすく解体している。ほんの短い時間だったので、これを撮影している方もあまり居なかった様だ。

まず羽根をむしり取り、いくつかの塊りにするようだ。白い羽毛が雪のように降って来た。

公園内の通路の上の樹の枝で平気で羽根むしりをする。

 羽根をむしった獲物を巣に運ぶ親鳥。巣の中から右の方に親鳥を注視するはヒナが二羽見えている。

手前でボケている親の後姿の右足にはしっかりと灰色の獲物がぶら下がっている。

黄色い目玉は給餌中のメス親、後ろ向きの二羽、左の白い頭の一羽がヒナ三羽。

お尻を向けている巣立ち期の二羽のヒナが先に食事。末っ子の白い頭の左のヒナは後回し。

この続きはまた明日。

2021年6月25日金曜日

2021年東京都内でツミの繁殖レポート その2. 2021 Report on the breeding of Japanese sparrowhawks in Tokyo Part 2.

  昨日のツミのオス親の画像の眼が本当に赤いのかというメールを頂いたが、赤い!現場ではもちろんファインダーの中の画像を見ただけではなかなか判り難かったが、もどってPCで確認すると、驚くほどきれいな赤だった。

 一方で、もう一羽の親、メスの方はどうだろう。メスはオスに比べずいぶん大きいと鳥類原色大図説(黒田長例 著、小林重三 画)において説明されているが、実際に生で見比べても撮影していてもそのは歴然としていた。

鳥類原色大図説(黒田長例 著、小林重三 画)つみのページから。

 この鳥類原色大図説においては、オスの眼が暗赤色との説明はないが、最近の各種図鑑などではオスの目が赤いとの表示が見える。オスを「えっさい」と表記している。図の右は幼鳥。

自宅そばで遭遇したツミの幼鳥。

 メスはオスと違って営巣している巣がしっかりと見える場所に常に居る。直線距離で15m~30m以内には確実に居る。一方オスの方は採餌の為もあるのだろうか、此処での居場所は直線距離で80~100m離れている場所に常駐していた。

 メスの親は若鳥とほぼ同じような眼で胸の横縞が非常にはっきりとしている。幼鳥の場合は縦に太い縞が明瞭だ。




オス同様ツミは翼のストレッチを頻繁に行う様だ。


ツミは行動が素早いので飛翔シーンを撮るのは他の野鳥に比べて非常に難しい。


顔は枝被りだが、主翼と尾翼の鷹斑の様子が良く判る。

三鷹の住宅街で8月に遭遇したツミの幼鳥、2020年。