2020年12月8日火曜日

球磨川堤防樹林帯が伐採されて姿を消した、晩秋の野鳥たち。 Wild birds in late autumn, when the Kuma River embankment forest zone has been cut down and disappeared.

  7月の球磨川豪雨災害で大きな被害を受けた人吉・球磨エリアだが、ダムの有る無しなど今後の洪水対策以前に国交省河川管理事務所が河川(=球磨川本流)に沿った堤防樹林帯を伐採してしまったために被害が増えたのではないかと専門家が指摘している。

 人吉市の中神地区のバックウォーター氾濫の農耕地の球磨川右岸堤防樹林帯が1年前完全に伐採撤去されてしまい、今回洪水時に影響が在ったという専門家の指摘を知った。

 これら樹林帯があったなれば障害物となり、本流の流れの速度を多少抑えられたものが、障害物が無くなり一気に流水速度が増したため、すぐ下流部の鉄橋(道路橋・鉄道橋二箇所)に想定以上のスピードで流木や倒壊家屋の残骸が激しい水流に押されてぶつかり、鉄橋橋梁部でダムのように溜まり相当な圧力を生み出し鉄橋が流失した、というもの。

 実は国交省は以前から堤防に沿った樹林帯を推奨している。これが昔から言う「治水」に有効だからこそ立派な手引書まで出してそれを説いているのだろう。筆者は2003年八代市の観光活性化の一環として球磨川土手堤防に昔あった桜の代わりにポプラ(=西洋柳)の植樹を提案した。提案自体は没になったが、その時堤防樹林帯に関する勉強をするため4,500円も払って私費購入したもの。



この図はまさに1年前伐採撤去してしまった樹林帯(黒い部分)そのものだ。

これが実際の球磨川堤防右岸・樹林帯の一部。これがあれば流速は多少軽減された。同じ位置からの画像はないがちょうど反対側から今年洪水前の3月に撮影した画像がある。
 手前の砂利の川原がかって1年前まで10年以上樹林帯があった場所。帯状に800mに渡って存在した。この森林帯がまったく無くなってただのだだっ広い川原に成ってしまった。

2016年頃には珍しいコウライアイサなどが3羽越冬した自然豊富な場所だった。

 で、昨年重機を駆使し万江川・球磨川吐合(=合流)部から紅取橋上流200m地点までの立派な樹林帯を完全に伐採してしまった結果、上記のような球磨川本流の流速を上げてしまい災害を増やしたのではないかというその樹林帯には数多くの野鳥が集っていた。実はヤマセミも一家族此処で繁殖していたのだが、以降繁殖は失敗している。

 今日は過去においてその樹林帯に居たが、伐採後姿を見せなくなったコウライアイサ含めて他の野鳥の一部をご紹介。今回は晩秋の巻だ。


何処にでもいるが、コゲラ。

珍しく明るい所に出てきたキクイタダキ。

針葉樹でもないのに遭遇する事は多かった。

エナガ。

これも本来は藪の中で動き回るアオジ。樹林帯だと安心なのだろうか?

ジョウビタキはオスもメスも数が多かった。

ビンズイもタヒバリも同じエリアに共存している。