ましてやヤマセミなど希少派の種は番組制作もむづかしいのでなかなかお目に罹れない。採餌・交尾・給餌などであれば目立つ行動だし必ず行う生態なので記録も可能だろうが、天敵からの子守などはあまりに偶然性が強いため収録が難しいのだ。
その点、筆者のようにヤマセミに特化した生態観察をしていると、そのあらゆる場面に遭遇する可能性が高いため、自分でも驚くハプニングに遭遇することがある。その瞬間、その生態を多くの野鳥観察者の方々の為に残すことが筆者の使命と心得ている。
今回のヤマセミファミリーに接近したトビとそれを回避した親鳥の反射的行動は自然界の奥深さを学んだことだった。
前2回はこのブログの昨日・一昨日の投稿を見て頂ければお判りいただけよう。要は給餌の為に大きな魚を咥えて幼鳥を呼んだ親が、二羽の幼鳥に与える直前、トビの存在を知った。幼鳥に餌を与えるとトビに狙われると瞬時に察し、急速に餌を岸の方へ放ってファミリーで逃げ、危機回避を図るまでのプロセス。
昨日の最終画像がこれ、トビが放棄された魚めがけて舞い降り、幼鳥二羽はパニクッて川の中央部へ逃げている。
幼鳥たちはいつでも水中へ潜って逃れやすいよう水面すれすれを逃げる。トビは獲物へ一目散!
トビが魚を拾う頃、ヤマセミ幼鳥たちは無事逃げおおせた。ヤマセミ親鳥の目論見大成功!
幼鳥の後を追って親鳥も見守りながら後を追う!
で、川の中央部でこの後どうすればと打ち合わせる親と子。
もう一羽の幼鳥は遥か彼方の岩に逃げていた。そこへ親が「其処に居なさい」と、接近。
動くんじゃないよと警戒しながら接近する親。
何処からか父親も戻ってきた。家族の無事を確認して安心した事だろう。