「塀の中の懲りない面々」で有名になった安部譲二を見い出し、世に送り出したのも彼だ。そのエッセーは歯に衣を着せぬ、ずばり確信を突くスタイルで読者をうならせた。あの頑固おやじ阿川弘之も愛読者だったという。タクシーをタキシーと記す面白い人だった。
実は、その山本夏彦さんが週刊新潮で連載されていた「夏彦の写真コラム」こそ、この「YAMASEMI WEB」の原点なのだ。いわば、アナログ版紙媒体・週刊誌の写真付きエッセーこそ、実は今のブログの原点だったのだ。
ほとんどが単行本としてまとめられている。
彼の名言、名エッセーはいくつも筆者の頭に擦り込まれている。「今まで起きた事は、これからも必ず起きる、決して無くならない」など・・・。
原発事故隠しの政府や東京電力によく読んで聞かせたい。
筆者は政治的主義主張に関してポジションは完全に中立で、右でも左でもない。昔からおかしい事には異を唱え、良い事には賛成する。横浜国立大学時代、入った時全学封鎖中だったがヘルメットの色が白だろうが赤だろうが、まして黄色だろうが組しなかった。
右翼の宣伝カーは、もし許されることなら今でも石を投げたいと思う事が有る。やかましいのだ!
そんな中、こないだも少し触れたが「あいちトエンナーレ2019」とか言うアートフェスティバルの中の一部の非常に意図的なプロモーションが3日で閉鎖された。髪の毛を黄色く染めた、いかにも目立ちたがり屋のメディア界の若者が3日間で閉鎖後「深く考えていなかった、ゴメンナサイ」と詫びていたが、周りの主宰関係者、県知事、市長を筆頭に、弁護士、TVコメンテーターなどが入り混じってマスコミ・メディア、SNSなどネット上で喧々囂々、侃々諤々と騒がしい。いずれもロクに本番の展示も観ていないのに。
憲法で保障されているとして「表現の自由」をやたら振りかざす連中に、一言だけ言っておきたい。渋谷の街や地下鉄の車両にいたずら書きをする輩も「表現の自由で擁護する気か?」そういう具体的に判り易い説明でこの騒動を解説できる人間が如何に少ないか?建前論ばかり述べ立て、勝った負けた、相手を論破した、しない・・・。あれ以来TVのニュースショーは、大体においてこんな事の繰り返しだ。
特にアート問題に関して言えば、芸術作品なんて作った人やその側の観る人から見ればアートだし、そうでない人から見れば「なんだこりゃー、ゴミだろう!」と思う事も有ろう、世の中には色々な考えを持つ人間が沢山いるのだ。
例えばマクドナルドの店内に臭いウンコを紙の上に置いて如何に「匂いのするアートだ」と主張しても、ほとんど客の全員が「バカ言え、これは汚物だ」と言うだろう?それとも、何でもかんでもアートなんだからと表現の自由を主張する輩は、その横でビッグマック食えるか?
さらに言えば、象が筆を鼻で持ってキャンバスに絵の具を塗りたくらせたのを観客に見せて「これは素晴らしい前衛アートだ!」という人も居ようが、象にしてみれば自分で何かを意図して表現したのではない。エサが欲しくて調教師の言う通り動いただけだ。結果がアートっぽく見えるだけ。もちろん象が描いたと言わずに、黙ってそれを見せられたら「これ何?どっちが上?」と訊く人がほとんどだろう?
この手のアート扇動者は、ほとんどが自分でアート活動をしない、絵も描かないやじ馬が多いのだ。それらを使って自分が目立てるか否か、オークションなどに出る作品も「高い金になるか否か」で評価がされる。要は金に成るか成らないかで・・・、元々芸術性なんてそんなものだ。ピカソの大作ゲルニカの評価が、戦争ごとに如何に変化して来たか学べば「アート」に対する専門家達の評価が如何にいい加減であるか一目瞭然ではないか?同時に価値観が世情背景に如何にコロコロ変わるかも判っているではないか?
そういう事実を知らず、ただ憲法に規定されているから「表現はいかなる場合も自由で、それは守られなければいけない」と叫ぶ人々の浅はかさだけが今回非常に目に付いた。
ただ、展示会中止の理由に挙げた「ガソリンまくぞ・・脅迫電話」の犯人もヤラセで仕立てるくらい簡単な事なので、何処まで「来場者などに危険が生じたから・・・」なのか筆者は疑っている。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190809-00010019-abema-soci
韓国の話にしても、あーだこーだ言わずに、簡単に説明したらどうなのだ?
例えば、大学に行っている学生が「成績優秀者に与えていた奨学金を、成績が下がった上、カンニングしていたことがバレたので、この先奨学金の権利を剥奪します。」と言われただけだろう?それを、自分の成績が下がった、チョンボした事を棚に上げて、警察に泣きついたり新聞社に訴えているに等しいのではないか?
いくつか此処にそれらに関する解説サイトがあるので読んで頂ければ幸いだ。
こうした気になる事象に対し、あの山本夏彦さんが生きておられたら、いったいどういうコメントで「夏彦の写真コラム」をまとめただろう?お盆になると想い出す人の一人だ。
今回は珍しくほとんど画像を入れていない。たまにはこういう日があっても良かろう?