先週、数多くの反応を頂いたヤマセミの危機回避行動の練習レポート。実は今回猛禽類のトビとの面白い掛け合いの様子を観察出来ていたので、今日はそのレポートをお届けしたい。
人吉市界隈においては実はヤマセミはトビとそれほど悪い関係ではない。トビがヤマセミを追い回したのは、唯一ヤマセミが採餌した魚を咥えて飲み込む場所へ移動する際にその獲物の魚の横取りを狙ったトビに追われた時だけだった。
もう今は無くなってしまったが、球磨川支流に掛かる架線に仲良く二羽ずつ留まっているヤマセミとトビのつがい。
今回、ヤマセミが4羽の巣立った幼鳥に給餌の場所として目立つ倒木を利用していたのだが、安定した給餌が進んでいたある日若いトビがそれまでの空気を読めずその倒木に居座ってしまったのだ。
幼鳥達は50mほど離れた別の指定場所に移動し親の給餌を得ていたが、親もあらゆる方向から丸見えで危険極まりない第二の場所でいつまでも給餌はまずいと思ったのだろう、このトビの若鳥に対し、体を張っての排除に取り掛かったのが今日のレポート。
トビの留まっている倒木が今年のヤマセミ幼鳥達のたまり場。ヤマセミの父親がそのトビのすぐ傍の茂みに飛び込んだ。
大きなトビが近寄れない、木の枝が密集している一番近い所に留まるという頭の良い威嚇行動を行う知恵者ヤマセミ。
此処でヤマセミがトビに対して、どのような威嚇行動をしているかは遠くて判別できなかった。
~と、思っていたらいきなりヤマセミがトビの鼻面を飛びぬけた。
そうして真下に降り・・・。
眼下の岩に降りた。
そうして、トビを見上げる、トビも驚いたまま見下ろす。昔の日本画のようなシーン!伊藤若冲に是非描いて欲しいと思った。
結局、5分後にはトビは飛び去り20分後にはヤマセミの幼鳥達は倒木へ戻って来た。