横浜元町中華街駅で折り返すS特急。
エスカレータを駆け下りて、ホームの有料・座席指定特急券の券売機に並んだ。6名が並んでいた。支払いはスイカとかカード決済のみで、今時らしいキャッシュレスオンリー。
しかし、先頭の男性1枚買うのに2分も掛かってしまい、次の二人連れ女性陣も時計と画面をしばらく見て買うのをやめた。で、筆者の前の女性が途中まで券売機を操作してある所で止まってしまい、また諦めた。
それを見て筆者の前の中年男性も諦めた。さあ、やっと筆者の番だ!JR新幹線のチケット購入販売機の要領で、どんどん進んだが、途中で機械が何を要求してきているのか全く分からなくなった。出発まであと20秒だ。
仕方なく発券機で買うのを諦めて、各車両の両端2扉しか開いていない入口から駆け込んで席に座った。1両に7人程度しか乗っていない、ガラガラだ。土曜日の朝10時半、決して早朝でも平日の昼でもない。
で、おとぎの国の門番のような真新しいユニフォームの車掌が来たので、指定券を買おうとすると、「車内で購入の場合少しお高いですが、良いですか?」と訊いて来た。
もう列車はホームを過ぎて、代官山の駅に差し掛かっている。しかし、そんなこと丁寧に言われても、ここで「それは困る、渋谷駅に列車を戻してくれ、ホームの券売機で買うから・・・」と言えるか?
それとも、そのシステムには納得できないから降りたい、どうすればいいのだ?」と訊くと次の駅は自由が丘だからそこで下車・・・。」と言ったか、言わぬか。
前の方で、同じく車掌と押し問答していた男性は自由が丘で降りたようだ。
いったい、東急東横線で?渋谷から元町中華街まで有料の座席指定の特急を走らせる意味があるのか?あの三浦半島まで行く「赤い電車に白い帯」で1960年代から身近な京浜急行ですら、春夏の行楽シーズンの連休時にのみ特急に有料座席指定席を設けているが、有料席はたったの24席だけ。あとは自由席の特急だ。品川から約1時間乗るので身障者やご老体で歩行困難な人は利用もしよう。
なのに、車内全体に吊皮が下がり、旅の風情など全くない通勤通学用の雰囲気の車両で、二人掛けのシート車両が渋谷から元町中華街まで車内購入指定席料金を550円も徴取するなど、とんでもない発想だ。しかも車内で切符を買う場合は現金だけだという。一体何なんだ?誰が考えたのだ?この身の程知らずのいい加減なシステムは!
呼ばなくてもいいオリンピックのお陰で、キャッシュレスを推奨している時代に、この先S特急に飛び乗った人間(例えば外人観光客)が現金を持たなかった場合、どう対処しようというのだ?東急はいろいろなケースのシミュレーションをまったく行っていないようだ。大体、駅のホームで発車間際に「全席指定の特急です!」ってアナウンスにせかされ日本人ですら券売機で行き詰っているのに、外人観光客が買える訳なかろう?
券売機で買えないことを見越して車内販売の200円割高はちょっと嫌らしすぎやしないか?
どうせ、渋谷から出ても終点まで2本先を行く通常鈍行列車を追い抜けるだけ、特急と言っても決して速いわけではない。横浜から先など先行列車が普通の列車で、追い抜く駅もなく、降りて自分で走った方が早いのではないだろうかと思うほどのノロノロ運転だ。
所詮、首都圏の通勤通学と買い物客で成り立っている東急各路線。秩父や箱根・伊豆、あるいは江ノ島に行く観光目的の西武鉄道や小田急電鉄の真似をしようとしても駄目だろう・立地条件も歴史も違うのだ。思い上がってもらっては困る、勘違いしてもらっては困る。ハッキリ言ってこんな有料S特急などじゃまだ。
今後、あちこちからクレームが噴出するような気がするがどうだろう?