人吉市内の球磨川本流で完全にペアリングできているつがいは、あと二組生息している。これらは人吉市内と言っても上流域で、なかなか車で近づけないエリアなので、しょっちゅう観察出来る訳では無い。しかし時々観察・撮影可能エリアに飛来し展開してくれるので証拠画像を押さえられるという訳だ。
で、球磨川本流のファミリーBとC(昨日のペアがファミリーA)はこの所、縄張り争いを断続的に繰り返しているようだ。その様子は静止画と動画で一部収録している。まだ粗編集の前の段階だが、ごく一部限定で録りっぱなし動画をご紹介。
縄張り争いそのものはまだ編集前で、今日ごしょうかいするのは遠くにいる侵入者を発見して追い出しに向かう瞬間までの映像だ。
あまりに近くにヤマセミが来たため、筆者もドタバタ慌ててビデオカメラを操作している状態が見て取れる。まことにお恥ずかしい映像だが、まだビデオカメラに慣れていない初心者という事でご容赦願いたい。静止画撮影とあまりに違うのでまだまだ慣れが必要と痛感した次第。
支流部に関しては、一見まだ単独で行動しているようにも見えるが、実はある程度の間隔で行動を共にしており、ペアリングが完了している事も判った。中でも在る支流部のつがいは、偶然雨の日に非常に短かったが交尾の初期のプロセスを見せてくれた場面を動画収録できたので、これもご紹介。
これはつがいのメスがオスへ交尾を迫っているシーン。
メスがオスへ近づくと「まだ早い!」とオスが逃げ回る場面をよく目にする。筆者が2013年5月に自費出版した「川辺川・球磨川流域の山翡翠」のp95~p101のシーンと同じような場面を今回も目撃・撮影出来ている。上の2カットがまさにそれ。ちょうど今の時期はメスの方が繁殖に関して積極的なのだ。
一方で、冒頭にもご紹介したが、此の上の画像のつがいが自分たちの縄張りにしている流域に、他のヤマセミつがいが侵入した際の様子を間近に収録できているので、ご紹介。
一方で人吉市街地から離れたエリアでの現状はこちら。
球磨川支流部のペアで結構離れていは居るものの、ペアリングは出来ていると思われるのがこの画像の2羽。
此処のエリアは5~6年前からヤマセミが営巣し、色々な生態を見せてくれていたのだが、最近2~3年迷彩テントで頻繁に間近から観察する方が訪れるようになり、つがいも200m程居場所を上流へ移動してしまったようだ。多分迷彩テントへの出入りをヤマセミが注目している眼の前で行ってヤマセミも警戒したのだろうと推察する。ほとぼりが冷めればまた戻って来るとは思うが。
今回はそうして此処にいたヤマセミ達が移動したがために、さらに上流部縄張りのペアと争いをしている現場を偶然目撃してしまった。
更に7km程離れた別の球磨川支流部では、これも一見単独で行動しているように見えるヤマセミだが、目の前で交尾行動をしてくれたので静止画と動画をご紹介。
細い支流部のヤマセミは本流のペアと異なって警戒心がに強い。
支流部は川幅も狭いが、こうして土手を散歩する人とヤマセミの距離感は本流と異なって非常に近い。
散歩する人達もヤマセミの存在に気を取られる事なく、普通にしているのがヤマセミ達が人吉で安心して生息出来ている理由なのだろう。
此処のヤマセミは、今シーズンまだ2羽で並んだ場面に出遭っていなかったが、動画を撮影中いきなり交尾行動の走りを見せてくれ驚かされた。
これ以外の支流部のヤマセミに関しては情報だけ入って居るので画像・映像は無いが、少なくとも各ペアの繁殖活動に時期定期なタイム差がいつもの年より幅広い点で、繁殖活動の観察時期を絞り込むのが非常に難しい年になりそうだ。