2018年9月29日土曜日

この時期の球磨川のヤマセミ達は昼は単独行動が多い。 In autumn Crested kingfishers of Hitoyoshi area often act alone in a daytime.

 しばらく前までは、ヤマセミは繁殖期が終わるとオスとメスは別れて生活する・・・という記述がヤマセミの生態を説明した文献や野鳥ブログ記述に多かった。

 しかし、人吉エリアの球磨川流域のヤマセミに関してのみかもしれないが、2010年からの8年間の観察データ、画像データが示す所によると、ヤマセミは必ず通年でつがい行動を行い、お互いの距離は繁殖期でピッタリ寄り添い、子育て期~真夏は10~50m、秋~初冬においては10~50m(早朝と夕方)100~800m以上(日中)が多い事が判っている。これも1つがいだけではなく、人吉界隈の少なくとも5カ所で行動するヤマセミファミリーの様子を観察しての結果だ。

 したがって、年間のある時期に成るとつがいの相手と別れ、関係を解消してバラバラに別居し、単独で生きる事は無い事が判っている。

 これは見通しの利く広い川幅を持つ球磨川流域での観察のお陰で判明した事だ。これが山奥で見通しの利かない場所での生態観察では、まず判らなかったろうと思う。
 広い場所で、なおかつ人間とその生活領域を共有している人吉・球磨エリアだからこそ通年で詳しく観察できたものと人吉でのヤマセミとの出遭いに感謝している。

 その人吉エリアのヤマセミも、子育て・幼鳥教育が終わって8月から10月後半までは球磨川流域に押し寄せるアユ釣りの太公望達を嫌い、支流部などに引っ込んでしまう。

 それが、10月の声を聴く頃に成ると、ポツポツと日常のエリアに戻って来る。早朝の採餌タイムには2羽で仲良く行動するものの、まだまだ日中は単独行動が多い様だ。今日はそういった画像をご紹介。
 




此処までは球磨川支流部のヤマセミ。これは朝11時を過ぎての画像なので一羽だが、早朝日の出から2時間は2羽で付かず離れず行動をしていた。

此処からは主に球磨川本流で行動するヤマセミ。特にこのメスは筆者を個別認識しているのであまり警戒しないで居てくれた。




 人吉エリアにおいて、その行動パターンを一番観察しやすかったメスのヤマセミ。この個体は本流が好きで、筆者の姿と毎回同じ色のレンタカー、フィットで訪れる事を認識している為、日中でもすぐ傍の土手まで降りて来て平然としていた。早朝はつがいで人吉市の公共施設のフェンスに仲良く現れるお馴染みさん。