このAMラジオ番組は実は日本ではただ一つの「河川名称」をタイトルに掲げた「特定河川流域文化情報番組」なのだ。似たような番組は日本一長い信濃川や日本一流域面積の広い利根川、あるいは北海道の石狩川、人口の多い大都市東京の多摩川や大阪の淀川にもない。
宮崎県との県境・分水嶺に端を発し、熊本県南部の山間部を流れる日本三大急流の一つ球磨川。
中流部人吉盆地(大古は湖)に3万人を超える山間都市・人吉市が存在。
人吉盆地を抜けると再び峡谷部に入る。八代海へそそぐ直前、八代平野に押し出し、大きな扇状地という地理・地学の必須項目のような自然形態を生み出している。
最終的に八代海(=不知火海)へ流れ込む際は大きな三角州を形成。その豊富な水(=工業用水として活用)を元に県内最大の工業都市・八代市を形成している。
FM局にはいくつか川の名前の付いた番組が在るが、いわゆるミニFMと呼ばれているごく狭いエリアで受信可能な10W程度の出力で一般的な商業放送ではない。例えばFMえどがわ(ミニFM)で流す「すみだリバーサイドメッセージ」等もあるが、川と名の付く番組ではない。
RKKラジオ熊本:毎週土曜日18:30~19:00オンエアー
タイトルだけの問題ではなく、徹底的にその流域に関する自然・文化・産業・歴史をネタとして取り上げ続けている意味では地域密着型の全国でたった一つしかないユニークな番組と言えよう。
まだRKKラジオのHPでも番組紹介・案内に独立してページを持てるほどの看板番組にはなっていないが、県内中心に団塊世代をボリュームゾーンとしてじわじわとリスナーが広がっているようだ。いわばNHK・AMのラジオ第一放送「ラジオ深夜便」のリスナーとダブるような気もしている。
2018年7月28日放送例
https://www.youtube.com/watch?v=aF1_eESAyPk&t=107s
2018年8月4日放送例
https://www.youtube.com/watch?v=Pc7Nr_Y5mJA
制作者もリスナーも出演者も、それに加えてスポンサーさんも団塊世代という珍しい人間空間をベースにしたAMラジオ番組、希少価値、ユニークなモノには目が無い筆者は最大限で今後も応援していくつもりだ。
此処でしばらく、この球磨川スピリッツのカバーする球磨川流域で筆者が「何かを感じて」シャッターを押した地域のフォトジェニックポイントを少しづつ紹介してみようと思う。
地元の方々は「何でこんなものにカメラを向けるの?」と思われるような風景・景色・被写体が殆どだろうと思う。しかしこれこそ球磨川流域へ来た流域以外の人々の視点・観点での魅力対象なのだ。
ハワイのホノルルに住んでいる人は、わざわざあの有名なダイアモンドヘッドや道端のハイビスカスをバックに記念撮影しない。
それと一緒なのだ。ダイアモンドヘッドやハイビスカスは其処に住んでいる人にとっては当たりまえのモノだし、わざわざそれと一緒に撮るという事は気恥ずかしいという思いもあろう。
東京に住んでいる人がいまさらスカイツリーや東京タワーをバックに記念撮影しないのと一緒だ。大体東京に住んでいてスカイツリーなど未だに登っていない。東京タワーに登ったのは1968年だから、なんと今から50年前だ。この通り地元在住者と外来訪問者ではいわゆる「モノを観る視点」が違うのだ。
観光活性化の最重要ポイントが実は此処に存在するのだが、担当者は判っていない。これが声高に叫ぶ割に観光活性化が進まない理由だ。
・・・と言いつつ、今日のブログは球磨川の源流部、支流の源流部の綺麗な水の佇まいのみ。
標高600mで岩にも樹木にも苔生す環境は大きな自然の恵みを流域に与え続けている。