2017年9月30日土曜日

カワセミの動きを追って撮影の反射神経を磨く! Shooting practice with photographing common kinghfisher's flight!

 冬鳥は未だ平地には来ていない時期、夏鳥は既に南に去ってしまい野鳥の影が薄い今こそ、撮影の特訓に専念できる良い時期だと思うがどうだろう?

 冬鳥や夏鳥の最盛期は、どうしてもそれを追いがちなので無駄に時間を浪費したくないという気が起きてしまう。臨機応変とは都合の良い効率的な方法だが、野鳥撮影の場合は一つの事に集中できなくなる意味ではあれこれ心が飛ぶのは良くない。
 そうなった日は結果的にどれもが中途半端で、撮影した画像をパソコンで拡大する度に、ため息と反省で部屋が一杯になってしまうのだ。

 。。。という訳で、今日の画像は夕方日没後、ほんの15分お付き合い願ったカワセミ君の撮影の成果。ISO感度8000にまで上げないと、手持ち撮影ではブレがひどくて、お話にならない。

 しかし、最近のカメラは感度が上がって大変助かっている。三脚を使用しない癖がついているのでなおさらだ。

羽根の生え替わりの時期なのだろう、随分抜け落ちている。







野川という幅1~3mの小川なので身近で撮影可能だが、球磨川本流のカワセミはそうはいかない。数倍も警戒心が強い。

2017年9月29日金曜日

この時期ウグイスは一体どこに居るのか? Where is Japanese bush warbler at this time?

 団塊世代であろうがなかろうが、野鳥に興味ある方であればウグイスとメジロを間違う事は無いと思う。しかし、つい最近ウチの梅の木に毎年ウグイスが来ているのだが、どうやら撮影すると図鑑と違うようなのだが・・・と問い合わせてきた方がいらしたので驚いてしまった。

 そこで、ウグイスとメジロは似ていて、ついうっかり間違えそうだが基本的な所で食べ物が違うのだ、餌が違うのだと説明して納得されたようだった。メジロは花の蜜を吸うので梅の花、桜の花、椿の花に集まるのだ、沖縄などでは南国の綺麗な花に群がるメジロを撮影出来ている。

梅に鶯が来て囀ることは実際はなかなか無い事で、梅にはやはり蜜を吸いに来るメジロだろう。熊本の江津湖で。

 一方ウグイスはムシクイの仲間で、生きた昆虫・虫の類を食すのでこの2種が同じ場所に居る事はまず滅多に有り得ないと説明をした。

 では、ホーホケキョと囀る春には大体鳴き声で居場所も判るが、今の時期・秋などは一体どこへ行っているのだ?と訊かれたので、そこいら辺の藪の中に居ると思うと説明したらなかなか信じて貰えなかった。

 それもそうだろう、足元の藪でごそごそやっているのがウグイスだなどと夢を壊すような事言うなという彼の想いもモットもだが、事実なのだからしょうがない。

 高原に行っても、この時期はほんの80cm程の距離の笹薮から数羽が同時に飛び出すことが多いのだ。先週行っていた信州の蓼科に在る別荘地内の道路わきではやたらウグイスが多かった。

 今日のブログでは、こうした今の時期、チャッチャッと地鳴きで藪の中を動き回っているウグイスの生態画像をお届けしようと思う。


春先に大口開けてホーホケキョと囀るのはウグイスだが、まず梅の木では啼かない。(※全く有り得ないとは言わないが、少なくとも筆者は一度も視た事が無い)

ウグイスはBush Warblerという英名の通り藪の中を動き回る野鳥だ。

全身を開けた所で観る事が出来るのは春先が殆どだと思う。

画面の下にある黒い点はウグイスのフンだ。

此処までが皆さんもご覧いただける春先の囀るウグイスの画像だ。この次の画像からは秋のウグイス、藪の中だ。

9月の末、山岳部で藪の中を動き回るウグイスを観察してみた。

向こうからはこちらの動きが完全に見えている。

時々、全身が見える事もあるが、ほとんどが上のような状態で藪の中で一部しか目視出来ない。

春先の活発で目立つ生態とは違い、今の時期はまず居所が判っても撮影する事は非常に難しいだろう。

2017年9月28日木曜日

団塊世代の野鳥好きは奈良で進められている緑地を壊すリゾート計画に反対する! We wild bird lovers of baby-boomer oppose the resort development plan which destroys green spaces being advanced in Nara!

 奈良公園の飛火野(鹿苑)へ行かれたことがあるだろうか?そう東大寺大仏殿から真南に1000mほど行った所にある道路の東側になだらかに傾斜した広い草地だ。今は真ん中に交通量の多い道路が走り西側の浅茅ヶ原と分離しているが、1961年(昭和36年)ころ東映で製作された「宮本武蔵・般若坂の決闘」のロケで中村錦之助演じる武蔵が闘ったのがこの奈良公園の飛火野・浅茅が原だった。

 筆者は過去5回以上この奈良公園で野鳥の撮影を行っている。特に2012年の名古屋国際航空宇宙展の実施運営の際は海外からのVIPを奈良ホテルにご招待するなど、京都・奈良には一時集中的に訪れた事が在った。チャンスとばかり望遠ズームを装着したデジタル一眼で野鳥を撮影しまくったのは勿論の事だった。

 その野鳥の宝庫の様な奈良公園のそばにある豊富な森林地帯を形成している一角にいきなり周りの環境を無視したようなリゾートホテル開発が計画されていると知ったのはつい最近の事だった。

 春日大社の萬葉植物園から始まって奈良公園から六角形の浮見堂という極めて優雅な演台を持つ鷺池の隣辺りは野鳥たちにとってサンクチュアリに近いエリアなのだ。
 理由は、野鳥にとって餌は豊富で水も通年で確保でき、数多くのシカや観光客のお陰で天敵・猛禽類から身を守れる安全地帯という訳だ。
 そういう理由で実はこの区域は意外に知られていない野鳥観察(バードウォッチング)・撮影の隠れたポイントなのだ。
 
 筆者は過去色々な理由で出張時、奈良ホテルに好んで宿泊したが、実はこのエリアが近いというのが本当の理由なのだ。そういう訳で朝は日の出から出っぱなしなので、有名な奈良ホテルの朝の茶粥は残念ながら未だに頂いた事が無い。

 日本のアウトドア・シーンにおいて専門性が高い商品群をリーズナブルな価格で提供し続けている、あの「モンベル」のオーナー辰野 勇さん(1947年生まれ)が、先頭になってこの貴重な地を無謀なリゾートホテル開発から守ろうとしている。団塊世代の彼が体を張って頑張っているのだから、同じ団塊世代は、それも特に野鳥好き、自然好きは応援しようではないか!
http://www.nara-park-mamoru.jp/
※具体的にはこのサイトをよく読んで理解し署名をすることが第一歩だ!それから先の行動は各自の範疇で是非!

 モンベルのグースダウンの黄色いジャケットは長野オリンピックの頃からもう随分使って来た。リップストップのシェルだが上からマウンテンパーカを着れば真冬の道東・根室の野鳥撮影(オオワシ・オジロワシ)でも全然問題なかった。別に此処でモンベルの宣伝をするつもりはないが、1978年あの倒産したVANに勤務していた際アウトドア・ブランドSCENEを出した際、専門メーカーの商品群とのそのクオリティの差に愕然とした事を思い出す。

 この運動を、辰野さんを応援するには、ただの声掛けだけではなく、同意者、応援者を増やすことが一番だろう。そういう意味で筆者に出来る事と言えば、偶然にも東京から数度行ったホテル予定地界隈での野鳥撮影した画像を提供し、この地はこれほど自然が豊富なのに奈良の行政はそれを潰すのか?という具体的な行動しかないと思う。
Google Mapによる奈良公園エリア

以下の野鳥画像は季節はまちまちだが、全てこのホテル予定地から半径300m以内で撮影したものばかりだ。此処にホテル建設が始まれば、そうして営業が開始されれば、この野鳥たちの生態は間違いなく変わらざるを得ないだろう。
ハイタカ、イカル、アオジ、ビンズイ、ルリビタキなどは奈良県においては希少種だというが、本当にそうなのか?ビンズイなど鷺池~飛火野付近で1日に30羽以上の個体をいつも見受けられたが・・・。ルリビタキは春日大社神苑の萬葉植物園には大概居るし、奈良ホテルの敷地内などでもよく見かける。1回の滞在で数個の個体を撮影している。ハイタカは浮見堂の在る鷺池上空でよく見かける。キクイタダキは結構紅葉が好きなので秋の終わりの紅葉時によく見かけた。日本で一番小さい野鳥の一種でもあるキクイタダキはけっこう貴重だと思うが

こちらのグループは全国どこでも普通に見かける野鳥で奈良県希少種などは居ないが、サメビタキ、コサメビタキなどが現れる場所は限られるので特筆しても良いと思う。上記画像は1羽でのものが多いが、実際は群れで居たり、数羽で小群を成すものも多い事を記しておきたい。

 東京から新幹線で訪れて、1~2泊して撮影しただけでこれだけ撮影出来るのだから、きちんとグループで3日間ほど早朝観察すればこれらの数倍の種類の野鳥データが取れよう。

あの長野オリンピック・バイアスロン予定会場にオオタカが営巣するという事で野沢温泉村に会場を移したという長野県の環境に関して気を遣う姿勢は立派だった。奈良県は国家的行事国際スポーツ大会開催でもない営利を目的とした単なるビジネス開発の為に、貴重な生物環境の破壊をこのまま進めるのだろうか?

 団塊世代は、是非この同じ団塊世代が先頭で推進する運動を応援して欲しいと思うが如何だろう?

2017年9月27日水曜日

信州の山岳エリア標高1700~2900m辺りの今。 Mountains area in Shinshu Now around 1700 to 2900 m altitude.

 霧ヶ峰周辺、八ヶ岳周辺の野鳥、高山植物をこのブログでアップ、ご紹介してきたが、今までの背景となる信州の山岳地域における野鳥を中心とした観察撮影についての注意点をまとめてみた。

 ガイドブックや地元に行かないと手に入らない詳細マップなどとは違う、リアルタイムでの現地状況判断ネタとして観て頂けると嬉しい。筆者は決して何度も高山へ上った経験がある訳でも無し、富士山にすら登った事の無い人間だ。基本的な登山へのレポートは出来ないが、野鳥をどのように探すかくらいは多少経験が有るので、今回の信州行を例にご紹介してみたい。

 天候や自分の体力限界など、事前のチェックはもちろん、基本中の基本は守った上での探鳥行動をされると言う事で、山岳エリアでの探鳥に関して一般的なお話をしようと思う。既にベテランの域に達している方やセミプロ以上の方々はさっさと専門的な文献やサイトにお進み願いたい。

 ほとんどの野鳥たちの天敵、恐れる相手が猛禽類である事はご承知の通りだ。従って、完全な自然で周囲3km程に民家も人影もない場所には野鳥が少ないという事を知っておくと良いと思う。
 今回も、別荘が点在するエリアの方が色々な野鳥が居て森林限界辺りに近づくとほとんど何も居なかったのを記憶している。人吉市のヤマセミもそうだが、意外に人間を頼って人間の生活エリアで繁殖をしている。人間という生き物が人畜無害と知っているのだろうか。

 いわゆる野鳥の森だとか、自然なんとか特別なエリアと称している場所に本当に野鳥が一杯いた例がない。人間の匂いのする範囲の方が野鳥が濃い事を知っておくとよい。

 同時に、野鳥は上から見下ろしてレンズで狙うとすぐに逃げるが、下から見上げる程度であれば優位に居る野鳥が危険を察知して飛び去る事は少ない事も知っておいて損はない。これは常時上級からの脅威「猛禽類」に対する先天的な警戒本能だろう。
 
 あと、気を付けねばならないのが、日没後の気温の急降下だ。陽が山に隠れた途端急降下で気温が下がるのを体感すると思う。特に八ヶ岳の様に南北に走る山並みで太陽の光が突然途切れる様なエリアは要注意だ。地図は標高を考えて立体的に認識する必要がある。
八ヶ岳連峰赤岳山頂小屋が見えている。標高2899m。

同じく少し北側の尾根に在る赤岳天望荘。

森林地帯を上る途中振り返ると富士山が堂々と見える。

日没後の八ヶ岳の稜線、特徴的だ。

高地の初秋の空はやはり空気が澄んで綺麗だ。

東側の山が赤くなるのはほんの一瞬!

美味しそうな茸があちこちに出ているが、むやみには採れない。

標高が高くなればなるほど既に草木は紅葉している。

野鳥の餌でもあるが、基本的に赤い実は最期に食べる様だ。

2017年9月26日火曜日

霧ヶ峰、標高1550m池のくるみ踊り場湿原周辺の野鳥。These are several kind of wild bird of 1550m highland Kirigamine area.

 3回にわたって1650m高度湿原でのノビタキを中心にブログレポートをアップしてきたが、今日はそのシリーズの最終回、100mほど諏訪湖の方向へ下った池のくるみ踊り場湿原界隈の野鳥をご紹介。

 この池のくるみ踊り場湿原は一周1時間も掛からないが、まず人が居ない静かな湿原。野鳥も少ないが落ち着く場所だ。逆にクマでも出そうな気もするほど音がしない場所。

 更に上空を舞うノスリや金属製の大きな鳥(グライダー)も優雅に見える珍しい場所だ。

 此処にはノビタキが居ない。その代わり移動中に立ち寄りのエゾビタキ、モズ、シジュウカラに遭遇。
池のくるみ踊り場湿原、奥は蓼科山。

野焼きの名残りだろう、樹の幹が焦げている。早くもススキの若穂が。

早朝から旅鳥エゾビタキが多かった。

こちらにもエゾビタキ、正面を向いてくれないと判りにくい。


胸の縦縞でコサメビタキやサメビタキより判別は容易だ。

光の関係で最初は判らなかったがくちばしでモズと判った。

こちらはメスの様だ。

こちらはオスか。

樹林帯へ入るとシジュウカラが採餌中だった。

動く大きな生き物がいて四つ足かと思いきや、何と国鳥のキジだった。

2017年9月25日月曜日

ノビタキとヤナギランの関係は? How about relationships between Siberian Stonechat and Fireweed at 1650m highland.

 7月後半に訪れた標高1650mの八島湿原、踊り場湿原で高原植物の女王のごとく綺麗に咲き誇っていたヤナギラン(英名 Fireweed)も9月後半に成って姿は白い綿毛に覆われて豪華さをアピールして居る。

 標高が100m低い踊場湿原(別名池のくるみ)にはあまりヤナギランは見られないが、ノビタキもあまり居ない様だ。特別ノビタキとヤナギランに相関関係は無いのかもしれないが、各時期毎に特徴ある撮影者にとってはなかなか良い被写体なので気になるところだ。


朝露に濡れたヤナギラン、まだ満開直前の7月後半


ヤナギランにはノビタキも結構留まってくれる。実に高原らしい画像だ。

秋を迎えヤナギランは白い綿毛で覆われる。


凛々しいノビタキとホワホワのヤナギラン



こうして標高1650mでは居残りノビタキが飛び回っている。