動くものに目が行くという性格は、ひょっとして筆者自身が生物として恐竜時代から何一つ進化していない証か?野鳥撮影も樹に留まった野鳥図鑑のような写真だけでは満足できず、飛翔中や何かの生態証拠写真を好んで撮影しようとするのも、これから来ているのだろう。
行きに立ち寄った5月15日の大授搦と帰りの今回27日ではまるで異なった景色に驚かされた。15日は中潮、27日は大潮だったので27日の方が手前の方まで海水が来て最前列の柵の内側はほとんど水浸し、長靴を履いても足元を取られる撮影者が居たようだ、カメラは大丈夫だったろうか?
観察者は全国から来られているようで、たまたま筆者が停めた駐車スペースの5台も佐賀、長崎、福岡、鹿児島、多摩・・・と広域からの来訪だった。なおかつその佐賀ナンバーの方も、一人は神奈川県からの方だった。
この辺りが大授搦(だいじゅがらみ=東与賀干潟)が全国的な場所である事を証明している。和気藹々と野鳥への自分の興味の持ち方、接し方などを自由闊達に話せる雰囲気が漂っており安心して野鳥観察や撮影ができる場所として、全国の干潟や干拓地の手本になる場所だろうと思う。
たまたま此処に来ておられた複数県の方々の話でも、熊本県の北部の干潟や干拓地での嫌な経験談が出て驚かされた。地回りのような仕切り屋が巡回して、他県の車を見つけると何かと上から目線で指導し、早く出て行くように意地の悪い対応をされたという。実は2年前にも全く同じことを此処で聞かされ、熊本県でヤマセミの研究をしている者として非常に恥ずかしかったのを思い出してしまったが、今回は「やはりそう思われているのか」と、非常に残念な気持ちになってしまった。
しかし、大授搦では地元のムツゴロウ漁師さん達も野鳥たちに関しては非常に詳しく、以前ブログに掲載した通り、事前に話を聴いておくと非常に有意義な生態観察ができるのでぜひお薦めだ、但し早朝の就業前に限るが・・・。
15日にはキアシシギもまだ居た、主に柵の内側へ幾度も飛来してきていた。
まさに水鳥の宝庫!有明海の大授搦は全国でも最大規模の野鳥観察地だ。15日の段階。
野鳥たちの獲物はワラスボなど泥の中に居る獲物だけではなく、トビハゼのように飛んでくれて採餌しやすい獲物も多い事が此処が野鳥の宝庫である理由だろう。太陽の影と水面への映り込みの二種類の影を映しながら飛ぶトビハゼ。
手前がトビハゼ、ジャンプ中がムツゴロウ!
そうして飛ぶとこうなってしまう。捕らえられたムツゴロウ。
勿論人間の食卓にも・・。柳川の夜明け茶屋で行く度必ず食す有明寿司、超美味だ。
具の大きな八貫で2千円しない!店頭ではワラスボ、ムツゴロウ、貝類など新鮮な魚介類が手に入る。ウナギの白焼きも売っていた。
ここの野鳥たちは干潟漁の漁師さん達と完全に共存している。
実際の距離感はこんなもの。
県外からの車が非常に多い、安心して野鳥観察ができる意味で最高の場所だろう。
地元の観察者たちも、プロ顔負けのハイアマ達も必ず声を掛け合って挨拶をする。
最終的な野鳥たちとの距離感はこれほど近い。
ほとんどが居なくなったとはいえ、27日にはまだこれだけの種類が混在していた。
ホウロクシギの最後の残り者か?