2017年4月4日火曜日

団塊世代のカワセミの撮り方講座 その1. How to take picture of Common kingfishers lecture 1 for the baby-boomer generation.

  団塊世代に限る訳では無いが、野鳥撮影に興味を持った方々がまず最初にはまるのが身近にいる綺麗な野鳥「カワセミ」だ。漢字で書くと「翡翠」となる。宝石の翡翠(=ヒスイ)と同じ字だが二つの漢字に羽の字が在る通り、カワセミの翡翠をその綺麗さを表現する意味で宝石にも当てはめたのが宝石のヒスイの語源だ。カワセミの方が先なのだ。

 その綺麗なカワセミにハマる団塊世代、更に先輩高齢者の方々のなかにはNHKの番組に取材されてしまうほどの追っかけが居る様だ。我が地元・野川流域にも狭い小川にカワセミの止まり木をこしらえて、小魚が貯まりやすいくぼみまで造って、皆さんでカワセミをサロンの様にして待っておられる。

この中にはチィーッ、チィーッと長い鳴き声を聴くと腰が浮く「カワセミ病」に罹っている方が沢山居られよう。街中を歩いていても、古い自転車のバンドブレーキのキィーッ、シーッというような音が聴こえてきて、思わず足が止まる様な症状が現れたら相当カワセミ病の症状は進んでしまっていると思っていいだろう。

 しかし、これらは2006年に野鳥撮影にのめり込んだ筆者そのままなので、とても人の事は笑えない。誰もが通過する症状なので致し方ないだろう。

 このカワセミを撮り始めて、筆者がヤマセミに行きつくまでさほど時間はかからなかった。今はヤマセミばかり撮影しているが、当然撮影現場ではカワセミにも遭遇するので、自然にカワセミの画像も多く撮影する事に成る。このヤマセミもカワセミも同じ仲間なので生態は非常によく似ている。

 そこで、このブログでは今まで頂いた問い合わせの中から、3番目に多かった「カワセミ撮影の仕方に関してのアドバイスを是非!」というリクエストに対して、自分の経験値からお答えしようと思う。

 勿論、カワセミの撮り方など幾つもベテランの著名な野鳥写真家が執筆された参考書的な本が出ているし、ブログやWEBサイトでも丁寧な解説が在るので、此のブログではそういう王道的な方法ではなく、自分で行って改良を重ねた自己流方法をアップして行こうと思う。
 もちろん自分に合わないやり方だとお感じになったら、是非普通の解説書通りにおやりになる事をお薦めする。

① まず、自分が撮るカワセミの画像がどういう写真であればカッコ良いのか、どういう写真を撮りたいのか?自分自身でイメージする事が最初。

② 木や岩に留まっている状態なのか、飛んでいる時の色々な形を撮り貯めたいのか、あるいは採餌して餌を咥えている場面を撮りたいのか。
 はたまた交尾をしていたり、求愛給餌をしている生態的な内容を撮りたいのか?

③ どういったシーンを撮りたいかによって、撮り方とその訓練は相当異なって来るが、全てにおいて共通の課題・宿題が在る。それはカワセミという野鳥の生態を詳しく知る事。決して本で読んで知るのではなく、現場で生のカワセミを観察してその生態に慣れる事が非常に大事なのだ。どんなカメラで、どんなレンズが良いでしょう?とお問い合わせになる方がなんと多い事か!
 撮影するカメラを選んだり、買い替えたりする前にまず行う事が有るし、それをパスしてはどのような高価な最新機種のカメラを手にしても、飛び去るカワセミのしっぽの一部しか映っていないという事に成ろう。

 シリーズで今後何回かに分けて、筆者の経験値からできるアドバイスをこのブログでアップさせて頂こうと思う。(あくまで自己流である事をお許し頂きたい)
 
岩の上のカワセミもコンデジで充分この程度は撮れる。

小川で細枝に留まっている場面ならコンデジでも撮れる。

縄張りを犯す別の個体に対する威嚇行動は生態を知らねば判らない。

ペリットを吐き出そうとする瞬間も生態を知ればこそ撮れる。

急降下ダイブは相当の訓練と対応するカメラ機材が必要だ。

採餌ダイブは一朝一夕には撮影出来ないが、観察と練習の繰り返し。

飛び立つ瞬間を捉えるには「待って耐える」訓練を要する。

今お持ちのカメラ、たとえコンデジでもこのうちの2~3カットはすぐに撮れるようになろう。しかし、それには1日カメラを持たずにカワセミのいる場所に行き、カワセミの動きと癖を観察することが重要なのだ。
 次回は、まずその観察の重要性を解説しようと思う。