2017年1月8日日曜日

人吉市に別名ヤマセミ神社という神社が在る。There is a shrine as an another name crested kingfisher shrine in Hitoyoshi-shi.

  人吉市がヤマセミを市の鳥に指定する事になり、JR九州が熊本―人吉間に観光列車「かわせみ やませみ号」を走らせる事も決まっており、人吉市にとって今年平成29年は「人吉市アピール」の千載一遇の好機だろうと思う。

 此処にこぎ着けるまでには、地元の数多くの方々の努力が在った事を知っている。特に人吉市における野鳥観察・研究の草分け的存在、古江之人(ふるえゆきと)さんの早くからの努力は非常に重要だ。

 筆者がヤマセミとの縁は、2010年4月1日、球磨川河口の八代市からレンタカーで川沿いを遡り、途中一度も出遭えず、日没になって諦めかけた際、人吉市内国民宿舎のくまがわ荘前の架線上に居るのを観たのが最初の事だった。

 そうしてその翌日、球磨川本流左岸の土手で声を掛けて下さったのが、この古江さんだった。宿のフロントで貰った球磨川の野鳥観察マップを頼りに赤い繊月大橋のたもとでヤマセミを探していた時、まさにその野鳥観察マップを作って市内の宿・ホテルに配られたのが、この古江さんだった。

 こうして、八代市の珈琲店ミックのマスター出水さん、人吉の古江さん、このお二方に出遭わなかったら筆者はこれほどヤマセミの魅力に取りつかれることもなかっただろうと思う。

 この古江さんにご紹介いただいたのが、人吉市内で医院を開業されている辻正彦医師。この方は毎朝雨が降ろうが雪が降ろうが、決まってカメラを肩から掛けてウォーキングされ、ヤマセミの動向を観察されている。そうして携帯ショートメールを毎日送って下さる。そうして今年は7年目に入る。

 この辻先生に教わったのが、赤い繊月大橋に隠れるようにたたずむ由緒深い矢黒神社。何と平安時代から在り、本殿社屋は江戸時代のままだという。
 そうして、この矢黒神社の周りを時折りヤマセミが出入り(繁殖期の早朝のみ)しているという事で、近所の人々、ならびに東京から通いで観察そしている筆者などが、この矢黒神社をヤマセミ神社と呼んでお参りをしている。

 筆者なども人吉に着いたらまずここに参拝する。すると5分も経たないうちにヤマセミの声が聴こえるのだからご利益は物凄いものが在る。最近は着いた日と帰る日の二度お参りを欠かさない。

毎年10月28日が大祭。

正月にはなんと門松が立つ素晴らしい神社だ。

傍に行くとすぐに逃げ去ってしまい出遭えないが、こうして上のバイパスから見ると運が良ければヤマセミが留まっているのに遭遇する。勿論朝7時前の話。

此処からは全て辻医師の撮影された画像。此処のヤマセミ・ファミリーは毎日来る辻先生を完全に認識しているので、逃げないようだ。他の人間にはまず撮れないカット。一度神社境内でヤマセミ狙いだろうと思われるカメラマンが居たが、境内からはまず無理。警戒心が強いのは山奥のヤマセミと変わらない。

この時はヤマセミ自身が神社にお参りしているようだった。

境内で一休みのヤマセミ。全国でもヤマセミの来る神社は此処だけだろう。