そこいらというのは、家の周りの藪の中の事を言う。英語名のThe bush warbler(藪の中に居る歌手・囀る鳥)という名前を見れば良くお判り頂けよう。
つまり、ホーホケキョと鳴くのが春先の縄張りを主張する際限定の、メスを引き付ける際の自己主張であって、それ以外の時期はチャッ、チャッ、と地味な鳴き声で藪の中を行き来するのがウグイスの普通の生態なのだ。
しかし、熊本県の人吉市を流れる球磨川の流域では真冬ですら情けない声ながらホーホケキョ、ケキョ!あるいはホ~ケキョ!と囀っているのを結構頻繁に聴くことが有るのだ。
最初にこれを聴いたときには、空耳(ソラミミ・聴き間違い)間違いないと思ったものだ。しかし、川辺川の柳瀬付近でも、球磨川の温泉町付近でも何度も聴くに至って、これは只事ではないと思うようになった。
何故?当然そう思う。今年は暖かいのでいつまでも囀っているに違いない!・・・・ではないのだ、毎年聴くに及んでその理由を自分なりに考え、現在その仮説の裏取りに入っている。これはこのエリアでのヤマセミの繁殖力の強さ、アカショウビン、時にはヤマショウビンの繁殖・あるい飛来、コウライアイサ、ツバメの越冬など南の野鳥の頻繁な出現の理由に通じる自然環境のなせる業だと思っている。ウラが取れたら是非このブログでも公表してみたい。
基本的にウグイスは繁殖期以外明るい開けた場所には出てこない。
それが葉も落ちて姿丸見えの11月終盤にこうして出てくること自体不思議。
更には、こうして囀りはじめると、えっ?マジっすか?…となる。
少し情けない鳴き声ながら、しっかり囀ろうと努力するのだ。
練習なのか?本気で繁殖期に入ろうとしているのか?