地元の新聞は勿論一面トップ大見出しで報道している。実際被害に遭われた方々には本当にお気の毒としか言えないが、狭いこの日本、何処にいても必ず何らかの天災の影響を受けた事が有ろうと思う。台風・水害・地震・火山災害などなど。
昨日の阿蘇山36年振り大爆発の地元ローカル新聞報道
今日のNHKの昼の放送でも、蒲島知事のコメントを本人インタビューで報道していた。そうしてその最後に「風評被害も防がねば・・」と言っていた。しかし、昨日爆発的噴火をして、火山学者や気象庁もいつ何時同じ程度の噴火が在ってもおかしくない・・・と言っている傍から「風評被害」を訴えるというのはどこかおかしくないだろうか?
今日はその「風評被害」という言葉の意味をこのブログで述べてみたいと思う。ズバリ「風評被害」という言葉の持つ意味と、現地被災者及びメディア・マスコミのその使い方が違う使われ方をしているように感ずるからだ。
この「風評被害」という言葉、東関東大震災3.11以来どうしても気になってしょうがない。
ここに、こういう記述がある・・・・。
「2011年3月の東日本大震災を発端とした原発事故に際しては、基準すら慌てて定め、なおかつ日を追ってその基準値制限を何の根拠もなく上げたような事態の中、風評だ、風評被害だと叫ばれているが、その全てが「風評」被害ではない。
放射性物質に汚染されている可能性がある農産物や水産物等を避けるという消費者行動は「根も葉もない噂によって導かれた結果」ではない。特定地区に汚染が起こっていることは事実であり、範囲と汚染商品群を明確に示して被害の補償に対処すべきである。農業や漁業に携わる人々が受けているのは「風評による被害」ではなく、「放射能による被害」なのだ。」
最近、「風評被害で困っているんですよ!福島県産のモモやナシは全然問題ないんですよ、買ってください!」と言いつつ首都圏で路上販売している果物行商をよく見かけるが、これらの商品が放射能検査を受けてパスした商品群だという保証はどこにもない。あるいは便乗商法で、実は福島県産ではなく、全く違う県産のモノを同情購入を狙った新手の商売かもしれない。
これとは別に、東電福島第一原発の事故による放射能拡散により、東北から北関東エリアに散った放射能により汚染された水が河川を通じて東京湾に流れ込んでいるため、墨田川、荒川、江戸川など各河川の河口部分の海底には非常に高い放射能汚染汚泥が沈殿している事実が存在する。
http://www.daytradenet.com/Cool/archives/2016/08/270725.php
http://sharetube.jp/article/1353/
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-4165.html
https://dot.asahi.com/aera/2015030200044.html?page=3
これらはいずれもいい加減な個人サイトではなく、きちんと調査をしたり公の機関が発表したデータを公開しているサイトなので、筆者は信用が置けると考えている。もしこれがデマやでっち上げなのであれば国や当局が放って置かないだろう。
しかし、なぜか首都圏のマスコミメディアはこれを殆ど報道しない。これ以外にもネット上で危機を煽る個人サイトはいくらでも在る。しかし一般メディアが報道しないためハゼ釣りや潮干狩りはバンバン行われているのが現状だ。
これらを釣り船屋や潮干狩り営業者にどう考えているのか訊くと「営業妨害だ」と反論されるのだという。国も都も厚労省も保健所も商売の邪魔をすると反対運動対応が面倒くさいのか、国民や都民の健康になど全然かまう気配はない。
もうこうなると個人の責任とリスクで放射能汚染対策をするしかないのが実情だ。残念ながら今の日本という国はそういう国なのだ。いや、実は昔からそうなのかもしれない。
話を熊本に戻そう。
4月の熊本地震で大きな被害を被った熊本県・熊本市近郊および阿蘇山周辺。当時のこのブログの何処かで、一連の地震の震源の深さは10km程度で同じだという事と、阿蘇山のマグマだまりが10km下である事実の関連性がそのうち出てくるのではないかと、素人考えで投稿した記憶があるが、まさにその通りになったので驚いている。
http://yamasemiweb.blogspot.jp/2016/05/kumamoto-castle-extremely-popular-to.html
火山学や地震学に関して筆者は中学・高校レベルの地学の知識しかないのだが、中央構造線やマグマ層や地震のメカニズムに関して少しでも興味を持った人間であれば、今回の阿蘇の大噴火を想像するのはごく自然の事だろう?
で、その熊本地震と阿蘇山の爆発に関して地元新聞が社説で二度も「風評被害」に触れている。しかし何度も言うがこの「風評被害」とは本来有りもしない事を噂され流され、それが理由で被害を被る、つまり濡れ衣を着せられて困っている状況を指す言葉だ。
今朝の熊本地元ローカル新聞の記事。
また大きな地震が来たり、阿蘇山がさらに大きく噴火した場合、観光客に対する安全対策、フォローの準備を地元行政や地元マスコミは確保できているのだろうか?まさか、もしそうなった場合「それは天災だからしょうがない、我々には責任はない」とでも言い逃れするのだろうか?
この事実は嘘でも噂でもなんでもなく、ましてや濡れ衣などでは無いのだ。全国の観光客が「しばらく様子を見て熊本エリアに行くのを控えよう・・。」と思うのは当然の事なのだ。こういう厳しい現実・状況下これらのマスコミが口をそろえて多用する「風評被害」とは一体何なのだろう?
昨年9月の阿蘇山爆発を上空のANA機内から撮影した動画。Youtube投稿。
https://www.youtube.com/watch?v=9_dIp6GEfug
これは誰に責任があるのでもない「天災」なのだから仕方のない事なのだ、言ってしまえばそういう運命としか言いようがないし、そもそもが火山のすぐ傍で生活する者にとってのリスクなのだ。この状態で「風評被害が・・・」と何度もメディアや知事が何かのせいにしようとするのは少しおかしいと思う。全然まだ収まっちゃいない天災なのに「風評被害」の恐れを唱えるのは大間違いだろう?
地震や阿蘇山爆発の直接影響を受けない福岡県や長崎県・宮崎県が熊本と同じような状況ではないかと思われ、観光客数が減るのであれば、これは濡れ衣だから「風評被害」と呼んでもおかしくない。
しかし、今回の熊本地震、阿蘇山の大爆発などに関する地元行政・地元メディアの報道の在り方を視る限り、「風評被害」という言葉が本来の意味を離れて一人歩きし、「現実に問題が発生している、あるいはその可能性がある」事象に対しても安易に用いられ、本質に対する考察や対処を回避し、誤魔化す為の一種の常套句と化しているように思えてしょうがないのだ。