2015年12月3日木曜日

ラフティングを覚えたのだろうか?オオハクチョウの面白い生態! The interesting habits of the whooper swan!

 話題を呼んだ人吉のオオハクチョウだが、昨夜山岳地域に降った雨の為、増水した球磨川本流で偶然面白い場面に出遭った。いつもとは違う所に居たオオハクチョウ2羽。曇天で見物人もいない状態。こちらは100m以上離れた土手の上の車の中から双眼鏡でその佇まいを観ていた。

 そのうち増水して流れの速い瀬の部分に差し掛かった2羽、流されつつその水流の激しさと後ろに控える小さな滝のような落差のある部分に一瞬「ヤバイ!」と思ったのか、2羽とも飛んで脱出を図ろうとしたのだ。しかし水の流れは速く、一羽はかろうじて離水に成功!しかしもう一羽は敢え無く離水失敗!

 飛翔できずに水の流れに身を任せ、仕方なく瀬の流れに乗って穏やかな所まで流れて行った失敗の一羽!何を思ったのか、穏やかな所で離水すると飛んで行った同僚に合流せず、最初に失敗した流れの速くなる所まで飛んで着水。そうしてあろうことか、今度は自ら流れに積極的に身を任せて球磨川下りというか、ラフティングを楽しんだのだ。これは一体どう理解すれば良いのか?

 普段、沼や湖に飛来するハクチョウは雨で増水した球磨川の様な環境は初めてだろうと思う。そこで流れに乗る楽しさを覚えたのだろうか?2度ほど同じことを繰り返したその1羽は上流に飛んで行った最初の一羽にすぐ合流した。ひょっとして最初に飛んで行った1羽を誘って、現場に戻って同じ事を教えたりしないだろうかと期待したが、残念ながらそういう事は起きなかった。

 観察したこちらはオオハクチョウの思わぬ行動に目をパチクリするのが精いっぱいだった。

明らかに普段より瀬の流れは速いように見えた、小さい滝のように段差が出来ている。

アオサギの観ている目の前で事件は起きた。

必死に流れに逆らって水を蹴って飛び立とうとするがなかなか前には進まない。

やっとの思いで一羽は平水面のエリアに脱出できたが、まだ水面を蹴らないと飛べない。

もう一羽は敢え無く水没!観ているこちらは一体どうなるのかちょっと心配した。

前を行く一羽はその間も水面を蹴って離水に必死。

やっと離水して飛翔状態に入った先頭の一羽。

飛び立ちを諦めた後ろの一羽は流れを見極めて・・・。

ラフティング状態で下流の静水面へ流れて行った。この後、飛んで再び元の場所に戻るとは夢にも思わなかった。しかし説明的なその画像は無い。連れの一羽にすぐに合流出来るのにしなかったのは、自主的にそうしたのだ!と鈍い筆者が気が付いたのはその場を離れて3時間後、画像をチェックした時だった。

一方、幼鳥は橋の架け替え工事のすぐ傍でたむろしていた。

工事している人間の傍には猛禽類など天敵が来ない事を知っているのだろうか?