何故アメ横という名前になったのかはハッキリしていて、戦争中入手困難だった砂糖をふんだんに使用したアメ(=飴・菓子)を販売する問屋が多かった(今でも菓子屋は多い)のと、アメリカ米軍放出品や軍経由の食料品缶詰等の「アメリカ物」の販売店が多かったためアメヤ横丁となった。
筆者は年に数度この雑踏を訪れる。それは此処でしか手に入らない食材と迷彩服・軍靴の類を手に入れるため。50年も昔にはパーカーの万年筆やレイバンのサングラスを求めて下宿先の世田谷から通ってきた。決して治安の良い場所ではなかったが、少し歩けば上野駅があり、東北地方から家出をしてきた中高生が年中おまわりさんに補導されていた。
世田谷の奥沢中学校に在学中、友達と二人でこの上野駅のおまわりさんに「九州から家出してきた」と「確信犯として演技」して上野駅前交番まで連れて行かれた。当時下宿していた先の叔母が警察からの身元照会電話を受け大騒ぎとなり、こっぴどく怒られたのを覚えている。
暮れの28日~31日はこのアメ横は満員の通勤電車の車内のような状況になり、買い物客、混雑の野次馬、またそれを狙う組織的なスリ集団でごった返す。これに外人観光客が加わって最近は異常な混み方になっているようだ。
昨日はまだ25日X'masだから普通に歩いて通れたし、正月の食材を買うには暖冬の影響もあって早すぎる為、買い物客は少なかった。しかし、冷凍の鮪だのは真っ白に凍っていて部位が判らない上、素人には解凍が非常に困難なのでお勧めできない。マツタケや昆布・乾燥ものは他より相当安いのは確かだろう。輸入の缶詰等も自由が丘や青山界隈の名の通った高級スーパーの半分程度でまったく同じものが手に入る。
バブルの時期には中古衣料、直輸入衣料のお店も多かったが、今や乏しいお金をスマホやゲームに吸い上げられる若者たちはファッション衣料がステイタスシンボルにならず、激減しているようだ。一方で迷彩柄のブームで元祖的SHOPの中田商店は年中混んでいる。筆者も野鳥撮影に超便利な迷彩服のいくつかは此処で購入している。長い事歩くには不向きの「野鳥の会」推薦のペナペナゴム長靴ではなく、此処の軍靴を履いて、毎回長距離を探鳥して回っている。
JR御徒町駅側の入口
スポーツ用品もこういう売り方では夢も希望もあったもんじゃない。でも安い!
この店は17年前、20世紀から延々と毎日「閉店セール」を続けている。
此処がアウトドア愛好家御用達の中田商店。軍放出品とそのコピー品満載。
その中田商店でしか手に入らない軍靴の類。これは野鳥撮影にお勧め!サイズがバラバラなので必ず履いて買わないとえらい目に合う。
戦後の闇市の雰囲気を残す輸入食料品店。青山の高級スーパー真っ青!
既にお正月食材を販売中。
御徒町駅前の「吉池」新潟が本店の食料品デパート。魚は東日本産が多い。
しかし太刀魚は九州と違ってクロームメッキの光り輝きはなく、神奈川産でも錆びたアルミのような白っぽい色をしている。牡蠣やアワビ、タイラギ(=平貝)などは非常に豊富。
静止画だけでは活気をレポートできないので、コンデジで動画を撮ってみた。大阪の天神橋商店街に匹敵する活気でいつも賑わっている。