何処で何に出遭うか判らない醍醐味が野鳥観察の魅力の一つだと筆者は信じて疑わない。そういう点からすると、今回のハヤブサの2時間に亘る採餌観察・一部始終は素晴らしいものだった。
朝から晴れて昼過ぎから風が強くなった日だった。風が強くなったので午後から夕方にかけての太陽の日差しは空気が澄んだため非常に強かった。野鳥撮影は実は薄曇りが最高の条件で、ピーカンの晴天はコントラストが強すぎて逆にあまり条件的には良くないのだ。今回ハヤブサと遭遇した日の午後はまさにそういったピーカンの条件下、更には重たい三脚ですら揺らぐほどの強風が吹いていた。
広い人吉盆地の奥の奥、ドン詰まりに近いエリアでの環境条件、背景は山が200mの距離に迫る河原だった。最初は影になった山肌をバックに直射日光を浴びるエリアで飛ぶカワラヒワの群れを撮ってる最中に始まった。突然左から「ガッ!ガッ!」と言う濁った鳴き声の飛行物体が滑空してくる所から始まった。回りに何か小鳥の群れが一緒に移動しているような気がしたがとにかくシャッターを切り続けた。
左から滑空してきたハヤブサ、何かを下げている事は直ぐに見て取れた。
背景の森林部分に掛かって単独ではなく周りに数多くの野鳥がとんでいる事に気が付いた。
数日前このブログで既報のカワラヒワの群れがその正体だった。という事は捕らえたのはカワラヒワ?だろうと思う。
一旦はハヤブサのいつもの基地らしい崖の一角に留まったが、直ぐにこちらに降りて来た。
撮影している筆者の方へまっすぐ降りてきて、強く照り返す河原に滑空してきた。
こうやって視るとカワラヒワより大きな獲物のようにも見えるが・・・。
完全に息の絶えた獲物はダラリと下がっている。
当然ハヤブサにはこちらの存在は判っているのだろう、草の陰になるように降りた。
草が邪魔するので何度も立ち位置を変えて撮影ポジションを探した。
ハヤブサは最初は気にしていたようだが、脅威とは思わなかったのか、むしろ周りの横取りを狙う同属の動きに物凄い警戒をしていた。約3分間ほどキョロキョロ周りだけを見回していた。
距離100m以上、灼熱の照り返しの河原なので撮影条件は地獄のようだった。生態観察撮影なので画像のレベルに関してはご容赦願いたい。この後捕らえて獲物を食べ始める。