そのシジュウカラのヒナが5月1日一斉に巣立っていった。最初から全羽の巣立ちをカウントできなかったのと、巣の中を一度も覗いていないので雛が一体何羽いたのかは定かでない。ネットで視る限り7~8羽というケースが多いようだが、目視で確認した限りでは今回5~6羽だったと思う。
動画で巣立つ瞬間を撮れているのは後のほうで出た3羽、静止画では5羽が撮れている。昨年はまったく同じ所に三鷹市の抽選で当たった巣箱を掛けてシジュウカラを見守ったが、何せ初めての事だったので巣立ちに気が付かず、1羽だけ残ったヒナの1日遅れの巣立ちを観察出来ただけだった。今年は巣箱自体も頑丈に自作し、シジュウカラの営巣部材(苔)の運び込みから巣立ちの後半までを記録する事ができた。
途中経過はWEBカメラを駆使して日常の様子を観察。巣立ちの3日前から気配を感じて、玄関のドアを少し開け、刺激しないようにして2台のEOSで動画と静止画を同時に撮影した。
このシジュウカラのつがいは自宅2階ベランダに吊るしたヒマワリの種、水などで半年以上前から顔なじみになっており、こちらがベランダの餌を補充する際も庭のエゴノキ(直線で2m)に留まって逃げる気配もなく待っている。最近はカワラヒワなども同じ状態。したがって玄関で撮影しようが、郵便物を取りに出ようが、車を発進させようが家人が何かをしてもまったく影響が無い共存状態に居る。近所の人も昨年の巣立ちの際に猫やカラスを追い払らって下さり、協力体制は万全なので、今年も皆さん楽しみに待っていた所だった。
今年は例年になく近所に野良猫が多く、カラス、ムクドリもやたら多いので気にはなっていた所、ご近所さんのシジュウカラに対する関心が倍増していたらしく、巣立ちの日も積極的に猫やカラスを追い払って協力をいただいた。
今年は5月1日の朝、初めてヒナが巣穴から顔を出し、外界を眺め始めたので数日内に巣立つものと推察し、なるべく様子を見守ろうと動画用のカメラも加え準備に入ったが、巣立ちそのものはまだ明日か明後日だろうと判断した。ところが一旦カメラ類を片付け、昼ごはんをつくりキッチンで昼食中にシジュウカラ親鳥の鳴き声が少し違う事に気が付いた。餌を持ってきて巣穴に入る際の警戒の鳴き声「ツピッ!ジジジジジ・・・」では無く「ピチュッ、ツピィーッ!ピチュッ、ツピィーッ!」と繰り返している。此れは何か異変では?と慌てて玄関に出てみると、まさに巣穴から身を乗りだした一羽が巣立つ瞬間だった!
こりゃ大変!話が違う、もう巣立ちかよ?と慌てて動画用のカメラをセット。同時にもう一大を手持ちで巣立つ様子を撮影。近所の皆さんも玄関先に出てヒナの行方を追い、車に轢かれないよう、カラスに突かれない様、野良猫に持っていかれないよう万全のサポート体勢を取って下さった。
昼前には時々顔を覗かせるヒナを親鳥が巣立ちを促すのか「まだ待て!」と言っているのか、何度もこうした場面を見せていた。
ちゃんとカメラ目線をくれた、珍しいシジュウカラ親子の記念写真。
其のうち親鳥が姿を見せなくなって、それまで2~3分のインターバルで運んで来て居た餌も運ばなくなった。声まで全然聴こえなくなったのは巣立ちを促す為だろうか?
そうして巣立ちが始まったのに気が付いて、多分此れが2羽目辺りの巣立ちだと思われる。
せーので身を乗りだして、
アッと言う間に上に向かって飛び出していく。この雰囲気は昨年ヤマセミの巣立ちの時と同じで真横ではなく、上へ上へと飛ぼうとするようだ。まだ飛翔の感覚がつかめていないのだろう。
視認で来た2羽目もほぼ同じ感じで飛び出した。
最初の1羽だろうか隣の家のガレージのシャッターのヘリにへばりついていた。向かいの家の方が真上で狙っていたカラスを追い払ってくれて無事に電線へ移動。
これが電線に移動できた直後。
もう1羽は我が家の2階ベランダのフェンスにしがみついていた。
更なる1羽は巣箱の在るクスノキの下部にへばりつき。
もう1羽は其のクスノキの茂みに落下、盛んに親を呼んでいた。
その後表に出てきてこれまた親を呼び続けていた。
もう1羽は道路を挟んだお向かいの家の屋根のヘリに着陸。際を車の音に驚いてアタフタするも、
無事上空の電線へ移動。
こうして約20分でヒナは全て上の電線に集合、其処へ親が迎えに来てヒナは揃って隣の大学キャンパスへ移動していった。この後は追いかけなかったが、其の鳴き声を聴く限り翌日からこの家族らしいシジュウカラの塊りが我が家の周りを朝から移動しているようだ。
この模様の動画を少しだけ繋いでみた。玄関の隙間から撮影しているので動画の映像に静止画用のカメラの連射の音がうるさく入っているが、実際ヒナ達にはあまり大きくは聴こえていないので念のため申し添えておきたい。
シジュウカラ巣立ち動画= https://youtu.be/ERsLpyqoNXk