都心では餌がなくなったり、野生の植物が減って果実や種を採餌し難くなってスズメが減ったのでは?と前回述べたが、やはり都心でも公園など緑化されている場所には果実も昆虫も居るので雀は沢山居るようだ。都心は局部集中の気配を感じ始めている。
今日の画像は上野の不忍池界隈のスズメ事情をお伝えする。この現象は10年前から知ってはいたが、愛好者が増えたと見えて現在では多い時には10名近くが餌をやっている。もちろん野鳥の餌付けは野鳥界の常識としては決して良い事ではないだろうし、餌をやっている人に何か有って来られなくなったらスズメは自力で採餌出来ないから死ぬだろう・・・。と危惧されるかもしれない。しかし、常にこの不忍池の雀は餌さやりの常連さんを待っている訳でもなく、居ない時にはそれぞれ個々に採餌しているのを幾度も確認している。
しかし不忍池で人がスズメに手渡しで餌を与えているのは、江戸時代からの風物詩らしい。小林一茶の句に「我と来て遊べや親のない雀」にあるとおり、江戸時代から雀は人に一番近い野鳥だったのだ。この不忍池の雀画像を見ると、また事情を良く知らずに目くじらを立て非難する愛鳥家が出てこようが、情報の一部分だけを見て即非難をせずに、江戸の昔から続く伝統文化・風俗がどれだけ人々を和ませているか、現場に来てまず実態を観るべきだろう。
不忍池にも看板が立っていて、カモ類(カルガモ、マガモ、キンクロハジロ・・・)などに餌を与えないで!とある。しかしスズメやカモメに与えるなとは書いていない。これは観光客がカモ類に餌をやりすぎて太ってしまい飛べなくなるからだと書いてあったが本当だろうか?カモ類は換羽の時期に一時飛べなくなる種があるが、それを見間違えたのではないのか?フォアグラでは有るまいに食べすぎで飛べない漫画のようなカモが本当に居るのだろうか?
普通の人が手に餌を乗せて待っていても20分以上は近寄ってこない。やはり慣れが必要。
一方で唯我独尊、孤高の雀も居る。雀の社会はどうなっているのだろう?