この時期の縄張り争いはなかなか珍しい事だ。悲劇の主人公ヤマセミが健気に縄張りをキープしている姿に感動した。ヤマセミは落ち込まないのだろうか?
今年、人吉界隈のヤマセミに関してはいつもの年とは異なった繁殖状況が展開されている。いまだに球磨川流域、川辺川流域で幼鳥を連れたファミリーが確認されていない。支流の万江川は万江川橋上流の堰の工事のおかげでヤマセミが姿を消してしまった。戻ってくるにしても1~2年以上掛かるかもしれない。工事の時期をヤマセミ繁殖時期にぶつけてしまった行政の問題だろう。
同じく人吉城跡・木山の淵の例年4羽の幼鳥を連れて子育てを行っていたファミリーも今年は全く姿が見えない。長崎国体のカヌー競技の予行演習やら関連イベントで第3鉄橋から何度も協議を行った結果出なければ良いが、野生の営みは人間の都合でどんどん消滅させられているようだ。
その他のエリアも青大将が巣に入り込み全滅させられたり(2件確認)、冬が寒かった影響か最初の繁殖をしくじって二度目にチャレンジしていると思われるつがいが2件ほど確認されている。
そんな中での、時期外れの縄張り争い、綺麗な画像ではないが生態報告としてご覧いただけると嬉しい。
家族を失って一人ぼっちになってしまった雄。
上流の雄の周りを回り始めて鳴きながら威嚇をする。
相手が水浴びに入った瞬間見逃さず突っ込んでいった。
相手も殺気を感じたのだろう、まるで白戸三平の劇画「カムイ外伝」を思い出してしまった。
空中で接触したか否かは定かでない。
何度もぶつかり合っていた。
上流の雄は脚を痛めたようだった。
意気揚々と万歳しながら?手前に戻るチョンガーの雄。
見物人のスッポンは興奮状態のヤマセミと目を合わせないようにしているように見えた。