2013年12月23日月曜日

不知火海・鏡川河口のクロツラヘラサギをご紹介。 Black-faced spoonbill at sea of Shiranui (mysterious lights on the sea).

 熊本県の八代海沿岸、つまり不知火海沿岸には遠浅の海岸・干潟が無数に存在し、水鳥の沢山集まる場所として近年注目を集め始めている。中でも絶滅危惧種のクロツラヘラサギは八代市を流れる球磨川の三角州を形成する前川河口部、鏡川河口部、氷川河口部など数多くの河川河口に飛来する数が年々増加してきているようだ。前回球磨川・前川河口では30羽以上の群れを確認。しかし今回立ち寄った鏡川河口にはさらに多くの数が視認されているとの事。

 このクロツラヘラサギは世界で確認されている個体数が2,700羽程しかいない貴重な野鳥で、国内では九州の熊本、福岡、鹿児島、宮崎、佐賀、沖縄の各県で視認されているが何故か長崎県では見つかっていない。河川の長さや干潟の数に原因が有るのかもしれないが理由は定かではない。

 基本的にサギ類とは違ってスプーンのようなヘラ状のクチバシの先に水中や泥の中の餌を感知するセンサーが有るらしく、餌を狙ってさっと突く採餌方法ではなく泥の中をくちばしでまさぐるコウノトリのタイプだ。集団で横に並んで魚を追い立てて採餌する様は梅雨時の田植作業にも似ている。

 基本的に主翼は真っ白だが、中には主翼の翼端が黒いのが居る。これは若鳥で成鳥になると消えるらしい。前々回の撮影行の時に前川河口で撮影した群れに2~3羽いたと思う。今回の鏡川河口部では残念ながら採餌に出てしまった後で残っていた3羽しか確認できなかったが若鳥はいなかった。

 
Black-faced spoonbills are coming to Kyushu area in a winter time every year. Now largest  numbers are coming to Kumamoto pref. in these couple of years. They were classified as an endangered species through IUCN in 2005.

背景が河口の船着き場の風よけのフェンスのような構築物なので非常にピントを合わせにくかった。
 
網目状の背景だとデジカメのAFが効き難いようだ。
 
その飛翔姿はやはり大型野鳥独特のゆったりとしたものだった。
 
 
3羽でも残っていてくれて嬉しかった。あと30分早ければ30羽以上の群れを観察できたかもしれない。