日本語は難しい。「意外と知られていない日本の固有種セグロセキレイ。」と「セグロセキレイが意外なことに日本の固有種であることは知られていない。」は、似たような文章だが取りようによっては異なった解釈をされてしまう。このブログでは「よく見かけるセグロセキレイが意外にも日本の固有種であること」を強調したい。
この野鳥の英名がそれを表している。「Japanese Wagtail」
ロシアや中国東北部、カムチャッカなど極東の広い範囲に分布するハクセキレイに比べ日本国内と朝鮮半島のごく一部にだけ生息するという狭い範囲の固有種の様だ。
球磨川中流域の人吉市の各支流河川河原には非常に多く生息している。タヒバリやビンズイ同様羽虫を好む性格上、羽虫・川虫の非常に多い球磨川河川に多い理由は明確だ。
この球磨川流域の羽虫の多さは異常とも思える。
10年以上前まだ国民宿舎・くまがわ荘(2017年閉館)があった頃宿泊して、網戸の一部に5㎜ほどの小さな穴が開いていた事があった。時は真夏、網戸だけにして寝込み、翌朝起きたら薄がけ布団が真っ黒になっていてびっくりしたことがあった。数万匹の羽虫で布団が埋め尽くされていたのだ。
床の畳の上にも多少はいたがなぜ布団に群がったのかは不明。筆者の吐く二酸化炭素に寄ったのだろうか?どんなホラー映画より怖かった。
かってはこの宿の前から球磨川対岸に架線ワイヤーが渡っていて、ヤマセミが毎朝留まってダイブ採餌を行う日本一確実にヤマセミに出遭える宿として貴重な場所だった。
「観光活性化」に関しては日本で此処にしかない、最高の日本国内唯一無二のネタだったのに、これ以上の観光資源はないと説くよそ者の「意見・話」は聴かない土地柄、残念で仕方がない。
もったいないことをしたものだ。特急かわせみやませみ号が走り、全国の野鳥撮影愛好者の数が10万人を超えた(撮り鉄より多い)というのに、人吉市の市の鳥に指定された希少種ヤマセミを観たい・撮りたい全国の人々の人吉へ来るチャンスを自ら消滅させてしまったのだもの・・。
「他所にはない、其処に行かなければ出遭えない独自の魅力」観光活性化の基本を全く理解していないようで残念至極。
肥薩線もSL人吉も特急かわせみやませみ号も、2020年の球磨川洪水で、もうこの先復旧は無理だろう。今や一人に一台の車利用で、ほとんど地元の人が普段乗らない・利用しない大赤字路線なのに、「今まであったものがなくなるのは寂しい」と、情緒的に復旧を希望するという大矛盾は世間が許すまい。
話が飛んでしまった。今日の話はセグロセキレイだった。