2013年12月24日火曜日

特報!今回12月中旬に人吉でヤマセミの求愛給餌を確認・撮影! I saw and photographed courtship feeding of Crested kingfisher on this December at Hitoyosi.

 今回12月14日からの今年10回目の人吉撮影行でヤマセミの求愛給餌活動を目撃、動画と静止画双方で収録出来た。これは求愛給餌を動画収録出来たという歓びより、この寒い12月半ばに早くも求愛給餌を行うヤマセミの行動に驚かされたと言った方が正しい。「求愛給餌行動」は野鳥に関する文献や過去の観察例からすると一般的なヤマセミの生態に関する常識として、春先の交尾直前・直後に行われる特徴的な行動として理解していた。

 しかし、今回の行動は人吉と言う限定された場所だからこその特異なケースかもしれない。真冬の気温が早朝氷点下になる事はごく普通で、朝霧は冬期ほぼ60%以上の確率で盆地内を覆う。人間にとってはけっこう厳しい自然環境なのだが、自然界の生き物たちにとっては逆にそれが良いのかもしれない。真冬でも球磨川沿いのウグイスが「ホーホケキョ」と囀り(全部がそうではないが、古江さんが音声を録音されている。)、普通のツバメやイワツバメが越冬し球磨川上空を飛び交う。

 4年ほど前から通年で人吉に通い、これら常識外の自然の営みの原因を現在観察・調査中だ。一つには豊富な湯量を誇る街中の温泉の存在が有るのではないかと思っている。気温は低いものの地熱・温泉から流れ出るお湯の暖かさが野鳥が潜む場所の温度をある程度暖かく保っているため、越冬したり常識的ではない生態を生みだしているのではないかと考えているが確証はない。今度温度計を携えていろんな場所を計ってみたい。

 しかし、しかしだ、12月中旬の「ヤマセミ求愛給餌」は驚きを飛び越えて、大丈夫だろうか?自然環境に何か大きな異変でも起きているんじゃないだろうか?と思わざるを得なかった。自然の生態の許容範囲の広さが成せる業なんだろうかとも思った。
 これらは人吉に在住の多くの方々に色々ご意見を伺って、近々このつがいに関して交尾活動が行われるのか、あるいは「求愛給餌」は交尾の前後でなくとも頻繁に行われている事の証なのか・・・調査してみたい。

 今回の求愛給餌は実は色々なハプニングが有ったり、後で判った事だがこの求愛給餌の前にメスがそれを促す様な行為を見せていた事が見てとれる。これはまた後日ご紹介したい。なお画像は求愛給餌自体を動画収録したため静止画はトップモーションの画像なので画質は良くない。後日YAMASEMI WEBのギャラリーなどのページで特別報告として動画をご覧頂く予定だ、乞うご期待!

12月19日朝08:43オスが中位のオイカワと思われる餌を採餌して頭を先に咥え直して連続音の鳴き声でメスを呼び始めた。この瞬間「嘘だろう?まさかこんな時期に求愛給餌かよ?」と思った。
 
そうして3分間も呼び続けて08:46、やっとメスが飛んできた・・・が、なんと彼女も口に餌を咥えているではないか?暫らく見合っていた2羽だが、メスはその場で慌てて餌を呑み込み、更にオスににじり寄って餌を受け取ろうとする、しかしオスは「えっ?今食べたばっかりジャン!?」と言ったか言わなかったか身を翻して左方向へ飛んで行ってしまった。このやり取りも動画で収録済みだ。
 
更に別の岩に移ってなおもメスを呼び続けるオスの元に再度メスが飛んできたのは、最初にメスを呼び始めて何と6分後の08:49近くになってからだった。要はその間オスはこの餌を咥えっぱなしだったのだ。顎が疲れたろうに。此処から先はすべて動画のストップモーション画像なので画質に関してはご容赦願いたい。
 
メスの餌を貰い受ける様は結構強引と言うか勢いが凄かった。
 
餌を貰い受けるというより、食らいつく、奪い取るといった表現の方が当たっている。
 
さっさとオスがメスに餌を渡すかと思いきや、3~5秒間ほど綱引きの様に「上げる・上げない」をやっていたのは意外だった。この模様もバッチり動画に収録されている。
 
やっと、オスから餌を貰い受けた(奪い取った?)メス
 
この画像は決して求愛給餌が成功してオスが「万歳」をしている訳ではないが、そう見えてしまうのは感情移入しすぎだろうか?この後オスは別の岩に移り、動画上で交互に水浴びをするこの2羽の模様が収録できている。今回の帰りに矢黒神社にお礼のお参りをしたのは勿論の事だった。